ひな祭り/桃の節句/上巳の節句(3月3日)
ひな祭りは女の子の健やかな成長を願う行事です。ひな人形を飾ってお祝いする家庭も多いのではないでしょうか。しかし、もともとは女の子だけでなく、年齢や性別問わず幸せを願う邪気払い行事「上巳(じょうし)の節句」「桃の節句」でした。女の子の節句となったのは江戸時代に入ってからです。女の子がいる家庭はもちろん、男の子しかいない家庭でも春をお祝いする行事として楽しみましょう。
Q:ひな人形を飾る時期は特に決まっていない?
ひな人形は立春以降、つまり節分が終わってから飾りましょう。もともと水に関係する行事だったことから雨水(2月18日頃)に飾り始めるのがよいという説もあります。
ひな祭りには、菱餅やひなあられ、白酒(子どもはノンアルコールの甘酒)、はまぐりの潮汁、ちらし寿司などでお祝いします。3色のお餅を重ねた菱餅(上から桃・白・緑色)には「健やかな子に育ってほしい」という願いが込められていて、桃色には疫病よけ、白色は清浄、緑色は厄除けの意味があります。
Q:「ひな人形を早く片付けないと婚期が遅れる」というのは、呪いをかけるため?
「ひな人形を早く片付けないと婚期が遅れる」という迷信は、娘の幸せを願う親心の表れです。
もともとは現在のように飾るひな人形ではなく、「流しびな」という紙や草で作った人形に穢れを移して川に流していたため、厄を移した人形を早く遠ざけた方がいいとされたのです。また、「片付け上手の娘にしたい」「おひな様のように早く幸せな結婚をしてほしい」という親心もあり、「ひな人形を早く片付けないと婚期が遅れる」といい、ひな祭りが済んだら早く片付けるようになりました。
気にせずに飾っておいても構いませんが、3月中旬、遅くとも春分までにはしまうようにしましょう。
こどもの日/端午の節句(5月5日)
こどもの日に鯉のぼりや兜などを飾ってお祝いする家庭も多いと思いますが、もともとは季節の節目に菖蒲で邪気払いをする「端午の節句」という行事がルーツです。
Q:こどもの日は男の子だけを祝う日?
冒頭でもお伝えしたように、こどもの日はもともと「端午の節句」が起源です。それが昭和23年に男女の別なく子どもの幸せを願う日になりました。「国民の祝日に関する法律」では「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日となっています。
ですから、男の子の有無にかかわらず、家族みんなで幸せを願ってお祝いしましょう。本来は、菖蒲で邪気払いをする行事なので、菖蒲を浮かべた菖蒲湯に入ると無病息災で過ごせるといわれています。