矯正中の最大のリスクは「虫歯」

いざ矯正を始めたら、気をつけたいのが「虫歯」です。矯正器具には凹凸があり、器具がついている部分とついていない部分とで高さの差も生じます。表面をざっと磨くだけでは、確実に虫歯になります。 毛先の細かい歯ブラシを使い、歯と器具のすき間までていねいに磨くのが正解。ワイヤーが通っている部分にも歯垢(プラーク)が残りやすいので、歯ブラシの角度をさまざまに変えながら磨いていきます。部分磨き用の「ワンタフトブラシ」も効果的。歯がデコボコの部分にも毛先が入りやすく、磨き残しを防げます。

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▲部分磨き用の「ワンタフトブラシ」

ブラシで磨いた後は、デンタルフロスで仕上げ。糸を指に巻きつけ、ワイヤーの奥(歯根側)にくぐらせると、ワイヤーに引っかからずに使えます。糸をこまかく動かし、歯と歯のすき間の汚れをとり除きます。 この一連のケアで、およそ20分。こどもが小さいうちは、ママのひざの上に寝かせて磨いてあげるといいでしょう。自分でできるようになったら、最後に仕上げ磨きをしてあげます。毎日の歯磨きとともに、食習慣にも注意が必要です。

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「キャラメルのように粘度の高いお菓子は、できるだけ避けましょう。器具のすき間にはさまったり、ワイヤーにくっついたりして、虫歯の原因になります。どうしても食べたがるときは、『すぐに歯を磨くなら、食べていい』と約束してください。また、イオン飲料をはじめ、砂糖が入ったペットボトル飲料も、虫歯の大きな原因です。将来の健康のためにも、甘い飲みものはなるべく避けてくださいね」(神保先生)。

 

取材協力/神保矯正歯科副院長・神保千絵先生
保矯正歯科>神奈川県川崎市高津区久本3-2-22 1F  TEL044-844‐5590
歯列矯正を専門とするデンタルクリニック。歯並びをたんに整えるだけでなく、子どもの将来の健康、顔への影響まで考えて、理想のかみ合わせに仕上げてくれる。初回のカウンセリングは無料で、生活スタイルなどをもとに、治療方法を相談できる。

 取材・文/川西雅子