学資保険と投資商品の2本立てが賢い貯め方
大学には多額の教育費を必要とします。国立大学に自宅から通う場合で4年間総額500万円余り、自宅外から通う場合で同総額800万円余り(文部科学省などのデータをもとに試算。以下同)。私立大学に自宅から通う場合で4年間総額650万円余り、自宅外から通う場合で同総額900万円余り。これだけの大金を学資保険のみではカバーできないため、プラスアルファとして投資商品との2本立てで教育資金を備えるのが賢い選択といいます。
「投資商品の魅力は、資金を増やせる可能性があること。学資保険と組み合わせれば、運用パワーをうまく引き出せます」と竹下さん。どういうことでしょうか?
「投資商品がうまくいったら、学資保険の満期金+投資成果で資金は大きく増えます。しかし、投資ですからリスクを伴い、うまくいかないケースもあります。そうなったときでも、学資保険のほうで大学の入学金などまとまったお金を確保できていたら、無理に換金せず資金をもう少し寝かして増えるチャンスを待てるのです」
ちなみに、株式や投資信託などの投資商品で教育資金をつくる際は、「NISA(ニーサ)」「ジュニアNISA」「積み立てNISA」の利用を推奨。これら制度を使うと、運用で増えたお金に対して、一定の範囲内で非課税の恩恵が受けられます。
これなら間違いなし! 学資保険選びのポイント
では、どのような視点で学資保険を選べばいいのか。基準となるポイントを教えてもらいましょう。
「一番はやはり返戻率です。払い込む保険料の総額に対して、受け取る祝い金や満期金の合計額がどれくらいプラスになって戻ってくるのか。返戻率はその割合を示しています。返戻率が100%を超えていれば、保険料の払い込み総額より多くの学資金を受け取れる優良な学資保険。返戻率が100%に満たなければ、保険料の払い込み総額より受け取れる学資金が下回る“元本割れ”の学資保険となります。当然ながら、元本割れするものは避け、返戻率100%以上の貯蓄性の高いものを選ぶのが絶対ですね」
最近は元本割れする学資保険が数多いといいますので、要チェックです。
「次にタイプの見極めです。以前は、18歳前後を満期に保険料を払い込む学資保険が主流でしたが、最近はさまざまタイプが登場しています。例えば、中学受験の塾に通い始める10歳までに保険料を払い終えるプランや、児童手当を受け取れる15歳までに保険料を払い終えるプラン、小学校を卒業する12歳までに保険料を払い終えるプランなど、バリエーションが豊富になっているのです。必要に応じたタイプを選択するようにしましょう」
保険料払込期間の短期化が今のトレンドとのこと。じつは短期のタイプを選んだほうがお得度は上がるそうです。 「払込期間が短いほど、まとまったお金を保険会社で運用できる期間が長くなります。そのため、返戻率は高くなるのです」