縄文を感じるなら青森へ。JR木造駅に圧倒されて
世界遺産候補となっている「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、4道県にまたがって国の特別史跡・史跡計17遺跡で構成される。その中でも、特に注目は日本最大級の縄文集落跡である特別史跡「三内丸山遺跡」を擁し、17遺跡のうち8つの縄文遺跡が所在する青森県。まずは何といっても、トップページにも掲載した下の写真をごらんください。
こちらは、つがる市木造(きづくり)にある駅舎「JR木造駅」なのだが、日本で一番有名な土偶と言っても過言ではない“あの”遮光器土偶(重要文化財)が出土した「亀ヶ岡石器時代遺跡」が所在するとあって、町全体が遮光器土偶一色。左のタクシーと比べると、その大きさは一目瞭然! 驚くことに文様までしっかり再現されていて、これを見るためだけに木造駅に来る価値があると言ってもいいほど。
この駅舎、時の総理大臣・竹下登氏発案のもと、各市町村に1億円が配られた、通称・ふるさと創生事業を原資に建てられたもの。賛否両論あった公共事業だったけど、約30年の月日を経て、再び町の観光資源になる可能性を秘めているのだから、何がどうなるか分からない。まるで、縄文人と遮光器土偶が「無駄なものなどない」と訴えかけてくるような超然とした姿は、多くの人に実際に見てもらいたい。
四季彩喰処『華かるこ』では、「シャコちゃん縄文弁当」(税込み980円/2日前に要予約)と題した、古代米を使用した遮光器土偶型ごはんが特徴的なお弁当を用意。縄文土器型のユニークな器が三段重になっており、それぞれの器には、天ぷらそば、刺身、和え物、煮物などが並ぶ。食材も、ごぼうやサバなど青森を代表する食材が使われており、この一膳から青森と縄文の香りを感じ取ることができる。これで980円は安い!