夫の不倫が発覚して即離婚…それができる状況は、実はそう多くないのかもしれません。夫が不倫しているとわかっているのに「気づかぬふり」を続けて離婚しない。そこにはどんな理由があるのでしょうか? 「結婚生活の継続」という苦渋の決断をしたサレ妻の話を聞きました。
私ひとりが胸の内におさめて済むなら…(紀子さん/35歳/飲食店勤務)
「結婚がしたい」と思いつつも、家庭の事情でなかなかできなかった私。母ひとり子ひとりで私を育てるのに無理をしていた母は、私が成人するころに体調を崩して臥せりがちになりました。頼れる父親や親戚もおらず、働きながら母の介護をする日々を送っていました。
そんな生活ではなかなか出会いもなく、適齢期も過ぎたころ、やっと出会えたのが今の旦那です。子どもにも恵まれ、幸せに暮らしていました。孫の顔を見せてあげられたことで、年老いた母に親孝行ができたことを何よりもうれしく思っていました。 そんな幸せの絶頂のなか、旦那が不倫していることに気づきました。 私は育児に仕事、母の介護で余裕がなく、真面目過ぎるところがあったのかもしれません。旦那は気を許せる女性が欲しかったのでしょうか。 お金に余裕さえあれば離婚できるのですが、子どもに加え母の介護のことも考えると、ひとりではとてもやっていけません。私ひとりがすべて胸の内におさめることで、息子が幸せに育ち、笑顔の母を見れるなら…それが私を育ててくれる母への恩返しになるのなら…。 いまはそう思って、過ごしています。