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気に入らないとひっくり返って絶叫…子どもの癇癪(かんしゃく)は、たまになら気が済むまでつき合えるかもしれませんが、毎日のように続くとママもほとほと疲れてしまいます。こんなひどい癇癪持ち、うちの子だけ?他のママはどうしてるの?今回は、子どもが癇癪を起こしたときのようすを、お子さんの年齢別にインタビューしてみました。

目次

1歳代の子どもの癇癪(かんしゃく)

「1歳の娘ですが、思い通りにいかないと全身に震えるぐらいの力を入れて叫んで怒りを表してきます。ダメなことはダメと叱ると、叱られたことに対してもまた真っ赤になって怒ります。完全に癇癪持ちのようです…。思い通りになるまで延々と続くので、つい娘がやりたいようにさせてしまいます。しかし、このままではただのわがままになってしまう気がして悩んでいます」(Tさん・29歳・1歳の女の子のママ)

 

1歳児に多いのは、ほかの子が遊んでいるおもちゃなど興味を持ったものを手に入れたいのに、「それはダメ」と止められたときや、大きい子と同じように公園で高い遊具に上りたいのに、ママに危ないからやめようねと言われたときなどに起こる、「思い通りにならない」癇癪です。

 

スーパーやお店でお菓子やおもちゃをねだって駄々をこねる、立ち入り禁止の場所に入ろうとする…などの行動を止めたときの癇癪は、1歳代であれば、その場で言い聞かせてもおさまらないことが多いので、さっさと抱っこしてその場を離れるのがベスト。

 

最初の何回かは、そのせいで買い物ができなくなってしまうことがあるかもしれません。でも、何度か繰り返しているうちに、癇癪を起こしても連れ出されるだけで思い通りにはならないと分かり、結局早く解決することもあります。

 

大人になっても癇癪が出てしまうという人に、小さい頃の話を聞いてみると、「癇癪を起こせば大人がいつでも言うことを聞いてくれた」という人と「駄々をこねると叩かれるなど、暴力で抑えられていた」という両極端の人が多く見られます。

 

騒がれないように要求をすべて通したり、怒鳴ったりたたいたりするのではなく、真剣に「やってはいけないこと」だと話すようにしましょう。

2歳代の子どもの癇癪(かんしゃく)

「2歳4か月の息子ですが、とにかく自分でやってみたい。でも、できないことでも失敗はイヤなので、一日何回も泣き叫び、モノを投げたりして、なだめてもまったく聞きません。朝は靴下を履こうとして上下が分からなくなって絶叫、夕食時には、新しいドレッシングのふたをぼくが開ける!というので渡したら、力が足りず開けられなくてまたまた癇癪、プラレールの線路の微妙な角度がうまくはまらなくて放り投げて泣く…と、ほんとうに朝から晩まで続きます。

 

放っておくといつまでも暴れて下の子も起きてしまうので、家事をあと回しにして癇癪につき合っていますが、これでいいのでしょうか…?」(Kさん・30歳・2歳の男の子のママ)

 

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2歳になると増えるのが、周りに対してではなく、「自分はこうありたいのにできない」という、理想と現実のギャップで腹を立ててしまうパターン。成長の証でもあるのですが、忙しいときに始まると、正直ママも「またか…」と思ってしまいますね。

 

2歳児はもともとイヤイヤ期でもあります。多かれ少なかれ、周りでも悩んでいるママがいたり、園でもイヤイヤに対応してくれている時期なので、機会があればママ友に「どうしてる?」と家での様子をたずねてみたり、保育士さんにおすすめの対応を聞いてみると、「こうやって手伝うと、プライドを傷つけずに自分でできた気になれるよ!」など、リアルタイムで役立つ知恵が聞けるかもしれませんね。

 

上記のドレッシングのふたであれば、こっそり子どもでも開くようにゆるめておくとか、ドアを開ける、水筒にお茶を注ぐなどは「またか…」と思っても、やりたがったらやらせてあげましょう。

 

また、言葉の発達もまだまだ個人差が大きい時期なので、子どもにすれば複雑な要求を一言で表すことができずにかんしゃくを起こしてしまう場合もあります。「うまくできなかったの、くやしかったね」「先にやりたかったんだね」など、わかりやすい言葉で言いかえてあげるのもいい方法ですね。

 

そのほか、2歳代では、下の子が生まれてママが忙しくなり、いわゆる「赤ちゃん返り」も重なってくることがあります。ママは本当に大変ですが、上の子に「寂しく思っちゃダメ」ということもできませんよね。

 

ただ、赤ちゃん返りなら、原因が分かっているぶん「期間限定」と考えることもできます。赤ちゃん返りのピークは、下の子の生後1か月から3か月頃といわれますので、できるだけ周囲の手も借りて、この時期を乗りきれるといいですね。

3歳以上の子どもの癇癪(かんしゃく)

「小さい頃から癇癪がひどく悩んでいます。自分の思い通りにならなかったり、少しでも眠いとかんしゃくが始まります。まわりのお友達にはそんな子はいないため余計にうちの子はなんでこうなんだろう…と比べてしまいます。

 

一度癇癪が始まると気分が変わるまで泣いて大声で叫び手足をバタバタ、ドシドシするため人の目も気になります。不思議なことに、保育園で癇癪をおこしたことがないそうです。癇癪が始まると気をそらすようなことを言ったりして癇癪が治まるのを待ちますがいつもそれで疲れきってしまいます」(Nさん・35歳・4歳の女の子のママ)

 

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3歳以上で増えてくるのが、家の中や家族に対してだけ癇癪を起こすという子です。

 

4歳を過ぎると、だんだん「相手はこうしてほしいと思っている」「自分は周りからこう見られている」など、客観的に自分と周りを見る力が育ってくるといわれます。早い子は3歳代でもそれが顕著になってくるため、保育園・幼稚園ではガマンしていたことが、一気に家で爆発してしまうのですね。

 

ママにできることは、その気持ちを汲んであげて、叱り過ぎず、また外でも我慢しすぎないよう、上手に自分の思いを表現する方法を教えてあげることではないでしょうか。家での癇癪が少し落ちついたときなどに、もしお子さんが「本当はこうしたかった」などと言葉で話してくれたら、たくさんほめてあげて下さいね。

癇癪は子どもによってさまざま。成長を見守っていこう

「癇癪(かんしゃく)」なんて何だか古めかしい言葉ですが、子どもが顔を真っ赤にして怒ったり叫んだりする様子は、いつの時代も「癇癪持ち」以外にぴったりくる言葉が見つからない感じですよね。

 

ただ、小さい頃に癇癪持ちだった子どもは、感情のコントロールの練習をずっと続けて成長するため、大人になったとき、他人の気持ちも分かってあげられる人になると言われています。

 

また、自分の意志を自分でちゃんと分かっているので、学校や職場でも、理不尽な環境に対してはっきり「NO」を言える大人になれるとも。

 

今は大変ですが、今回の記事も参考にしつつ「癇癪持ち」の子の成長を見守っていきたいですね。

 

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文/高谷みえこ