貸株中でも「株主優待」や「配当金」はもらえる、しかしデメリットも…!

貸株できる銘柄は証券会社によって異なりますが、貸株する銘柄や株数は自分で自由に決められます。たとえばA銘柄(300株保有)は200株だけ貸して、B銘柄(100株保有)は貸さない、といった具合です。 「株主優待や配当金を受け取る」設定にしておけば、優待も受けられるし、配当金もいつも通りに振り込まれます。また、いつでも自由に売却することも可能です。 貸株サービスって「聞けば聞くほどお・ト・ク! 使わない手はない!」と思った方も多いでしょう。ただし、メリットがある反面、当然ながらデメリットもあるので注意が必要です。 ひとつは、貸株サービスを利用すると、その間は名義が書き換えられて自分の名義ではなくなること。「1年以上保有」「3年以上保有」など、長期保有すると株主優待などが優遇される企業の場合、貸株中は「継続保有期間」とみなされない可能性があります。企業によって対応が異なるので、心配な人は貸株サービスを利用する前に、各企業に確認しておきましょう。 また、金利が高い銘柄は「値下がりしそうだから、株を借りて空売りしよう」という投資家需要が高いとも言えます。貸株の高金利だけを目当てに株式を購入するのは危険なので、売買は慎重に行ないましょう。 さらに、証券会社が倒産しても株は保護されますが、貸し出している間は、証券会社の名義になっているため、投資家の資産は保護されません。 証券会社の破たんはめったにないことですが、こうしたリスクを知っておくのも大事なこと。証券会社の格付けを調べたり、保有する株式の一部だけを貸株に出すなど、慎重を期して貸株サービスを利用するといいでしょう。

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文/田村みのり 会社員(人事・経理)を経てフリーライターに。年金組合の破たんで数百万円を失った経験から、分散投資の重要性を痛感。その後、教育資金・老後資金を貯めるために投資信託や株、純金積立などさまざまな財テクに挑戦してきた実績を持つ。女性誌やwebでマネーや教育、生活情報記事などを執筆。高校生、大学生の2児の母。