育児、仕事、家事、社会のこと、ママたちが普段気になっていることをCHANTOモニターに大調査!ママたちの「どうして?」を「なるほど!」に変える記事をお届けします。vol.52は「夫婦の呼称」についてです。
vol.52 夫婦の呼称
夫や妻、主人や家内など、日本語には夫婦の呼び方が多く存在します。近年では「主人」「嫁」などの呼び方が今の時代にそぐわないのではないかとして、SNSやニュースなどでもしばしば話題になっています。
今回は、夫婦の呼称…特に第三者の前で使う呼び方の課題について読者モニターのみなさんに意見を伺いました。
「どの呼び方が正解?」「適切な呼称がない」悩みも
あなたは友人や同僚の前で、配偶者をどう呼んでいますか?またどう呼ばれていますか?
モニターのみなさんに「あなたは配偶者を第三者の前でどう呼んでいますか?」と尋ねると、「旦那」30%、「夫」26%、「主人」20%と分かれる結果になりました。
一方で、第三者の前で自分が呼ばれるときは「妻」と「奥さん」が同率で25%、続いて21%の人が「嫁」と呼ばれていました。夫の呼び方も自分の呼ばれ方も回答が割れる結果となっています。
最近では「主人」や「旦那」「嫁」などの呼び方は、夫婦が対等と感じられず違和感があるとされることも。また「嫁」は、本来、親が息子の配偶者を指すときに使う言葉であり、夫が妻を呼ぶときに使うのはおかしいのではないかという指摘もあります。
モニターのみなさんはこうした呼び方に違和感を覚えているのでしょうか?
アンケートの結果は「あまり感じない」36%、「感じない」23%と、違和感を感じないという人が6割近くに。一方で、「とても感じる」13% 、「まあまあ感じる」26%と違和感がある人は全体の4割ほどとなっています。
すでに呼び方として定着していることや、カジュアルなニュアンスで使われることもあり問題ないと思う人もいれば、本来の意味を考えると対等でない感じがしてモヤモヤする人もいるのでしょう。各々の捉え方の違いによる難しさが感じられます。
続いて「夫婦の呼び方について、違和感を感じたこと、悩んでいることがあれば教えてください」と具体的なエピソードを聞くと、違和感がないと回答した人からもさまざまなコメントが集まりました。
特に多かったのは、さまざまな呼称や考え方があるだけに「どれが適切な呼び方なのか?」と悩む声でした。
「初対面の人には夫だが、親しい人には旦那。しかし、これでいいのかよくわからない」「上司の前で配偶者のことを何と呼んでいいのか迷う」などの声が集まっています。
また「人からご主人と言われるのはいいが、自分が主人というのには抵抗がある」と、微妙なギャップを感じている人や「夫が自分のことを『嫁』と言っているのが対等でないからやめてほしいと伝えたが、夫は『嫁』という言葉に立場の上下の意味を込めていないと主張。嫁を使うのをやめてほしい感覚を理解してもらうまでに時間がかかった」と、相手からの理解が得られず苦労した人も。
近年では、フラットな関係を示すのには「夫」「妻」が適しているという意見もあり、新しく「パートナー」という呼称も提唱されています。しかし、「適切な呼び方がないと思う。パートナーとか言うとワケありっぽい」という声も。適切な呼称がわからない、適切な呼称がないという問題はすぐには解決できる問題ではない、ということが垣間見えます。
そんななかで「そのご夫婦が気持ちよく使えてるのであればまったく問題ないが、どちらかが違和感を感じるのならば変えるべき。そして呼び方や考えを他人に押しつける人がいちばんよくない」と、夫婦間での気持ちがまずは大事であるという声もありました。
近年、変化の兆しを見せている夫婦の呼び方の問題。呼称に関する印象も、どの場合にどの呼称が適切かと考えるかも人それぞれ。一概に「これが正解」と言いきれないところに、この問題の難しさがあるようです。ただ、いちばん重要なのはどんな呼び方でも夫婦お互いが納得していること。もしどちらかが違和感があるようであれば、その違和感がどこからくるのか考えて、話し合ってみるのはいかがでしょうか。
取材・文/阿部祐子 イラスト/児島衣里
©️CHANTO調べ 調査期間:2022年1月21日〜27日 調査対象:CHANTOモニター61人