学校・職場・そして子育てなど、人生のさまざまなステージで遭遇するのが「自慢話」や「マウンティング」。された方はとても嫌な気持ちになりますよね。

どちらも勘弁してほしいものですが、実は両者には少し違いがあります。

 

今回は、その違いやママ友のマウントや自慢話にひそむ心理、先輩ママに聞いたおすすめの対処方法などを紹介します。

マウントと自慢の違いとは

「自慢」とは、特定のモノ・成果などを見せびらかして、賞賛されたりうらやましがられたりすることで喜ぶようすをいいます。

 

対象のモノやできごとが比較的はっきりしており、一時的・限定的なことも多いです。

 

一方、「マウント」は、「自分の方が相手より上である」と思わせるための発言や行動を指し、モノはあくまでもその手段。

 

「マウンティング」はもともとはサルやイヌなどの社会的生活を行う動物のあいだで見られる行為で、食べ物や性交などでひんぱんに揉め事が起きないように、あらかじめ上下関係をはっきりさせるために行います。

 

それが人間に転じて、相手より優位に立って自分に都合良く仕事や付き合いを進めようとすることを「マウントを取る」「マウンティングする」と言うようになりました。

 

あからさまに「私はこうで、あなたはこうだから私の方が上ね」といった発言をする人もいますが、どちらかというと少数派。

 

直接相手を悪く言わなくても、話の内容から「だから私の方があなたより上」という結論を導き出して相手と共有したらマウント成功となります。

自慢話やマウンティングが多いママ友の心理

子育て中のママの中には、それまでの人生で家族や友人に恵まれたおかげで、マウンティングされたことがない人もいます。

 

それが出産後にママ友づき合いが始まると「なんだかこの人とは会話の流れが毎回おかしい」「嫌な気持ちになる」と感じ、「これがマウンティングというものか!」と気づくことも。

 

なかでもママ友特有なのが、子育てに関するマウントです。

 

「子育てでうっかりうまくいかないことを愚痴ったら、うちはちゃんと言い聞かせたらうまくいったよ?要はどれだけ子どもに愛情をかけてあげられるかじゃないかな。と言われて、まるで自分が愛情不足のように思えました」(Cさん・5歳児と2歳児のママ)

 

「たしかに、その人のお子さんは二重のぱっちりお目々で色白、うちの娘は目も細いし地黒。だからといって、園のバザーでめぼしい服をキープするときに、こういうのは色白なコじゃないと似合わないからさぁ~とか言ってくるのやめてほしいです。まあ私にとっては娘が世界一かわいいので聞き流してますけどね」(Kさん・3歳児のママ)

 

などの体験談もあります。

 

こういったマウントや自慢をしてくる人の特徴・心理としては次のようなものがあります。

 

  • 素の自分に満足していない
  • 自分の人生や人格に自信がない
  • 劣等感を抱えている
  • 人からの承認に飢えている

 

そのままの自分に価値を見いだせない人は、なんらかの外付けの要素を使って「自分は幸せだ」と証明しようとします。

 

その手段として、実体のつかめない心の幸福度や満足感ではなく、わかりやすい収入・学歴・持ち物などを出してくることが多いのでしょう。

 

劣等感の強い人は、その裏返しとしてなんとか自分より劣った人を探し出し、相対的に自分が優れていると思いたがります。

 

また、子供時代から就職・結婚後まで、周囲から認められることが少なかった人は承認欲求に飢えており、「すごいね」という言葉が欲しくて自慢やマウントを繰り返すこともあります。

 

そして、ママ友の自慢やマウンティングの最大の特徴は、自分だけでなく「夫」「子ども」のスペック(学歴・収入・成績など)を持ち出してくること。

 

どれも、突き詰めていくと「自分に自信がない」「素の自分では幸せだと思えない」という心理に集約されていきます。

マウンティングや自慢をされた時の対処法

もし、ママ友のマウンティングや自慢に遭遇してしまったら、どう対処していけば良いでしょうか?

 

子ども同士が仲良く遊んでいたりすると距離を取るのも難しく、非難するのもはばかられますよね。

 

そこで、実際にママたちがやっていたおすすめの対処方法をいくつか紹介します。

「すごーい!とほめると次からもどんどん言われるし、嫌な顔をすると角が立つので、たいてい、わずかにほほえんだ感じで、へえ、そうなんだーと流すようにしていました」

 

「初対面で夫の勤め先とかプライベートな話を聞いてくる人はたいてい危険人物。言うほどのとこじゃないよーとお茶を濁したり、子どもにシャツが出てるよーと直しにいくフリでその場を離れたりしていました」

 

「自慢やマウント取ってくる人は、そんなコミュニケーションしか取れないかわいそうな人だと思ってスルーしていました。いろいろあったのかもしれないけど、もう大人なんだし、私はその人の心の問題まではケアできないから、スルーされた時点で気付いてほしいですね」

おわりに

自慢とマウント、どちらも自分に向けられたら気持ちのいいものではありませんよね。

 

ただ、こういったママ友は、どんなにお金持ちでお子さんが優秀だったとしても、どこか人としては未熟なところがあり、それに気付けるあなたの方が大人だといえます。

 

子供がからんでくると完全に避けるのは難しい場合もありますが、できるだけ相手の思惑に巻き込まれないよう、上手に心の距離を取っていきたいですね。

文/高谷みえこ