仕事と学びの「相互作用」感じた2年間

── 仕事と勉強を両立する日々はいかがでしたか。

 

相内さん:

そうですね。特に昨年4月にモーサテのメインキャスターに就任したときは、重い責任を伴うメインキャスターの仕事と勉強が両立できるのか、と不安がありました。しかも週の前半は早朝番組で深夜1時に起き、週の後半は大学院で深夜1時に寝るという「時差ボケ生活」。ほぼ徹夜で生放送に臨むこともあり、そんな日は這うようにして会社に行って…。思い返してみても、地獄のようにつらかったですね(笑)。

相内優香さん

けれど、大学院にはまったく違う業種の高い目標を持つ仲間たちがたくさんいて、本当に刺激の多い2年間でした。「学ぶ」ことが楽しかったし、苦楽を共にする仲間たちのおかげで最後まで頑張ることができました。

相内優香MBA
今年3月、早稲田大学大学院の学位授与式で「ハットトス」の瞬間

── 会社の外の世界に身を置いてみて、どんなことを感じましたか?

 

相内さん:

入社以来、アナウンサーとして社会人生活を送ってきたので、自分の中で「常識」だと思ってたことが、「そうじゃなかった」ということもたくさんありました。

 

アナウンサーって専門性の高い職業である分、当たり前のことができなかったりするんです。ワードやパワーポイントで資料を作ったり、エクセル計算もやったことがなくて…。コロナ禍でオンラインと対面のハイブリッド授業であったことも手伝って、ノートも全てデジタル化し、デジタルスキルも一から身につけていきました。結果、情報収集の効率、勉強の効率もアップして、アナウンサーとしての仕事の効率も上がっていきました。 

相内優香さんデジタルノート
大学院在学中に使っていた相内さんのデジタルノート

同じ会社で、同じテンションを持って、同じ目標に向かって頑張るというのは、とても大切なことだと思うんです。一方でどうしても「同質化」は起こるので、自分の会社の中で頑張ると同時に、会社の外に居場所を持って知識を吸収する。その両方が大事だと実感しました。

相内優香さんMBA
入山章栄ゼミのメンバーと撮影した1枚

 

── 仕事と勉強の相互作用は感じましたか?

 

相内さん:

はい。経済ニュースだからこその相互作用を感じています。

 

例えば、モーサテの「マーケットリアル」というコーナーでは、企業の株価の転換点に、経営トップへインタビューさせていただくのですが、ニュースベースの知識をもとにインタビューをしていた過去の自分とは明らかな変化を感じています。

相内優香さん

基本的な経営学や経済学の知識が身につき、今は新聞を読んでいても「あ、これはあの経営理論を使っているな」とか「この企業のケースは、あの企業のケースに似ている」と考えたり、ニュースの「その先」を考える力が身につきました。 

 

その上で経営者の方々にインタビューさせていただくと、いわゆる「腹落ち感」が全然違うんです。

相内優香さん

最近はサンリオの若き新社長にインタビューさせていただく機会もありましたが、経営者の考え方に触れたり、その中に隠された戦略を見つける面白さを、より一層強く感じられるようになりました。