口座引き落としされるので、毎月のスマホ料金を把握していない人もいるでしょう。昔の感覚で月数万円も支払っている場合は、見直しのいい機会かもしれません。今回は家計再生コンサルタントの横山光昭さんに、一家で7台のスマホを使いながら総額月7000円代を実現した、スマホ料金の賢い下げ方を聞きます。
意外と知らない格安SIMの仕組み
まず、横山家のスマホ料金を紹介します。家族8人でスマホは7台持ち、毎月7000円程度です。皆さんのご家庭と比べていかがですか?
使用するスマホは携帯3大キャリアではありません。家族全員、格安スマホです。そして、「格安SIM(シム)」を利用しています。
格安SIMとは、3大キャリアよりも格安な料金で提供されるSIMサービスのこと。
SIMはスマホの中に入っているSIMカード(ICカード)を指し、そこには電話番号や加入者の情報などが記録されています。SIMカードをスマホに挿入することで通話やインターネット通信が可能となるのです。
スマホ料金を安く抑えるには、この格安SIMの利用と選択がカギを握ります。
格安SIMを提供しているのは「MVNO」と呼ばれる通信事業者。MVNOは携帯電話サービスに必要な回線設備を持たず、3大キャリアから間借りするため、格安料金を実現しています。
格安SIMは“SIMフリースマホ”にセットするのがポイントです。SIMフリースマホとは、どこの会社のSIMカードでも利用できる端末のこと。
購入した端末キャリアに縛られることなく、好きな格安SIMを差し込んで使えるわけです。
1台約1000円を可能にした?デュアルSIM
あとは、個人の使い方にマッチした料金もリーズナブルな格安SIMを選ぶだけ。
たとえば、スマホではほとんどインターネットを使わないのであれば、1~3GB程度の小容量で最安なプランを提供するところを。
逆に動画視聴やネットゲームをよくするのであれば、10GB以上の大容量で最安なプランを提供するところを選べばいいでしょう。音声通話の選択も同様です。
格安SIMには、UQモバイル、Y!mobile、ahamo、楽天モバイルをはじめ、BIGLOBEモバイル、mineo、OCNモバイルONE、LINEモバイル、イオンモバイル、IIJmioなど多数の通信事業者が挙げられます。
横山家でもSIMフリースマホ+使い方に応じた格安SIMの組み合わせで利用しています。結果、スマホ料金は一人1000円台前後に。
今、利用料金が最も安いと思われるのは、ソニー系のNUROモバイルかBICSIMも取り扱っているiijmio。
データ通信量の設定が異なりますが、両社とも音声通話ができるプランの最低料金は1000円以下。データ専用SIMの取り扱いもあり、iijmioでは物理的なSIMカードではなくスマホ内蔵型のe-SIMの利用もできます。
このe-SIMとSIMカードを合わせることで、iPhoneでも「デュアルSIM」を使うことができます。
データと音声通話で格安SIMを分け、自分の目的に合った安価な料金プランを選べるため、スマホ料金を大幅に節約できる可能性があるのです。
横山家では、データはNUROで大容量の格安プランを選び、通話は楽天SIMで通話無制限プランの無料特典を活かし、月600円台を実現しています。
お得なスマホが見つかる家電量販店の賢い使い方
とはいえ、格安SIMは多数あり、何を選べばいいいかわからない人が多いでしょう。そこで手っ取り早いのが、家電量販店の店頭でのリサーチです。
家電量販店にはSIMフリースマホを売っているコーナーがあります。
そこにいる店員さんに自身のスマホの使い方を伝え、「どんな格安SIMを選べばいいですか?」と尋ねればいいのです。
店員さんは各社の格安SIMに精通しているので、SIMフリースマホとの組み合わせでお得な格安SIMやプランを教えてくれるでしょう。
ただし、格安SIMはY!mobileや楽天モバイルなど、店頭でのサポートする通信事業者もありますが、オンラインでの申込みを基本として初期設定も自分で行うのが通例です。
そういったデメリットも頭に入れて利用を判断してください。
監修/横山光昭 取材・構成/百瀬康司 イラスト/村林タカノブ
※情報は2022年4月15日現在のものです。 プランの詳細は各キャリアごとの最新情報をご確認下さい。