お金が貯まらない夫婦の共通点として、家計相談中に「あるセリフを言う」ことに気づいたと、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。そのセリフってどんなこと?3つあるそうですが、皆さんのご家庭はいかがでしょうか。
「学費を払っているのは私だからね」
家計相談をしていると、お金が貯まらない夫婦は言い争いを始めることがあります。そのときによく聞かれるセリフが3つあるんです。
1つ目は、「私が○○を払っているんだからね」です。
たとえば、 「私が教育費(学費)を払っているんだからね」 「家賃を払っているのは俺だぞ」
これを言うのは、ほとんどの場合、共働きの夫婦ですが、このセリフからはある心理が見えてきます。
それは、自分が稼いだお金のことを「自分ひとりで稼いだお金」と考えていて、「二人で稼いだお金」と考えていないことです。
いくら自分の給料でも、そのお金を稼ぐために、パートナーから家事や育児でのサポートを受けているものです。
そう考えれば、「夫婦で稼いだお金」であるはずですが、このセリフからはそうした感謝が感じられません。
一方、お金が貯められる夫婦は、どちらが稼いだお金も「夫婦で稼いだお金」とみています。お互いに助け合って生きていると考えているからです。
この意識の違いはお金を貯めることにも明確に現れます。「夫婦で稼いでいる」と考える夫婦は協力し合いますが、「自分ひとりで稼いでいる」という夫婦は、協力し合う姿勢を見せません。
「私の貯金は300万円ある」というように、「私の貯金」というセリフを言う夫婦もいますが、これも「私が払っている」と同じ心理から出てくるセリフだといえるでしょう。
「あなたの給料が低いから、お金が貯まらない」
お金が貯まらない夫婦がよく使う2つ目は、「あなたが○○だから、お金が貯まらないのよ」。
「給料が少ない」「お金の使い方に計画性がない」などといって、何かとパートナーを責めることです。
しかし、いくらパートナーがお金にだらしなかったとしても、責めてばかりいれば、パートナーもいい気持ちはしません。
相手を責めるタイプの人は、マネープランを話し合うときでも「あなたは全然わかっていない」「どうすればいいか、ちゃんと考えてよ!」などと相手を責めます。
そうなると、ますますパートナーはお金の話をしたがらなくなります。
だから、お金の使い方や貯め方の足並みが揃わず、お金が貯まらない。それに腹を立て、さらに相手を責める…という悪循環に陥るのです。
反対に、お金が貯まる夫婦は「来年は教育費がかさみそうだから、小遣いをお互い少し減らせると助かるんだけど、どう思う?」と、相談を持ちかけるように話します。
お金に関する話題を出しても、お互い不愉快な思いをしないので、ふだんからよく話しています。だから、考えを共有できて足並みが揃い、お金が貯まるわけです。
「毎日、発泡酒飲むなんて!」もストレスの原因に
もうひとつ、お金が貯まらない夫婦からよく聞かれるセリフは、「ムダ遣いが多い」と、小遣いの使い道に文句を言うことです。
たとえば、「每日、発泡酒を飲むのがもったいない」「趣味にお金を使い過ぎ」といった具合ですね。
しかし、100%ムダをなくそうとするとストレスが溜まり、貯金や節約が続かなくなります。だから頑張っているのにお金が貯まらなくないのです。
お金が貯まる夫婦は、小遣いの使い道に干渉せず、お互いの自由に任せる傾向があります。適度にムダ遣いすることでストレスが溜まりにくく、お金も貯まるのです。
以上のセリフに心当たりがある人はそこから改善してみてはいかがでしょうか。夫婦間の風通しが良くなり、お金が貯まる夫婦に近づけるはずです。
監修/横山光昭 取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ