子どもが言うことを聞かなくてイライラしたり、つい高圧的になってしまうことってありますよね。「○○だから○○しないと!」という考え方から少しだけ離れてみませんか?
価値観を押しつけない育児
芸人や漫画家として活躍するカラテカ・矢部太郎さん。父・みつのりさんは絵本作家で、いつも子どもの絵を描いていたそうです。そんな矢部家を描いた漫画『ぼくのお父さん』(新潮社)が、12月18日の『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)で紹介されました。
気象予報士の資格をもつ矢部さんは、公園で遊ぶより雲を眺めているのが好きな子どもだったそう。お父さんも遊んできなさいとは言わず、面白い子だなと観察していました。お父さんが大事にしていたのは、子どもの行動に口を出さず観察すること。「親の価値観で子どもを育てると、自分の思い通りにならない子どもにイライラして叱ってしまう。親は監視じゃなくて、観察する。僕はそんなふうに育てたいな」と考えたのです。
堺正章さんに「見守るだけっていうのは、難しくはございませんか?」と聞かれたお父さん。「いやいや、楽しいですよ。どうやってだんだん成長していくのかとても興味深いです」と答えていました。
脱・みんなといっしょ
矢部さんに「夏って楽しいな。お父さんも、夏楽しい?」と聞かれたときのこと。「夏?今年の夏も、新しい絵本描けなかったから… 苦しい」と正直に答えたそう。「大人だからこうしなきゃ、という気負いが全くない父でした」と矢部さんは言います。
また、お父さんは過程を楽しむこと、個性を褒めることも大事にしていました。過程とは、結果に行き着くまで何を経験したか。個性とはその子らしいユニークさです。
子どものようなお父さんの一面を恥ずかしく思うこともあった矢部さんですが、大人になって「みんなと同じじゃなくていいから、自分らしさを大切にしろと言ってくれていたんだ」とわかったと言います。俳優の津田寛治さんは「お父さまが子どもをよく観察されてるんだっていう。でもそのぶん、多分子どもたちっていうのは、観察しているお父さんをずっと見てたんだなっていう気がしますね」とコメント。
子どもの変わった行動も、個性として捉えることが大切なのかもしれません。
「ふせん」で自己肯定感を上げよう
8月9日放送の子育てバラエティー『ハロー! ちびっこモンスター』(NHK・Eテレ)では、カリスマ保育士・てぃ先生が𠮟り方をアドバイスしてくれました。
喧嘩が絶えない凛々ちゃんと璃士君のきょうだい。喧嘩の原因が弟でも、パパはお姉ちゃんだけを叱ってしまいます。てぃ先生は「これ単純に、まず璃士君をしっかり叱らないとお姉ちゃんは納得しないんですよ」と指摘。続いて「お子さんの自己肯定感を上げる方法として、お子さんの良いところをふせんに書いて貼るというのが効果的です」とアドバイスします。
ふせんで自信を取り戻したお姉ちゃん。苦手な野菜を食べた弟を「えらい!すごいすごい!」と褒めてくれました。てぃ先生は「自然とお姉ちゃんとしての自覚が出てる感じなんですかね。お父さんお母さんもそうなんですけど、自分自身が満たされれば周りの人にも優しくできるんですね」とコメント。食器を洗うパパにも、お姉ちゃんは「パパよくできました!」と嬉しい言葉をくれました。
個性を大切にしたり、自己肯定感を上げたりすることは、大人にも大切なことと言えることかもしれませんね。子育てに悩んだときは、カラテカ・矢部家流の「観察する」育児とてぃ先生のアドバイスを実施してみては?
文/牧野聡子 ※画像はイメージです