LINE交換

家族や親族の連絡にLINEグループを作っているご家庭は多いかと思います。そのうち家族全員ではなく、限られたメンバーでのグループを作っている方の割合はどのくらいでしょうか。

 

たとえば、子どもたちだけのグループや、それぞれ家庭を持って離れて暮らすきょうだいのグループなどなど…。今回は、「義父母の実子プラス同居嫁(私)のLINEグループを作りたい!」と思い立ち、奮闘(というほどでもない)する話です。

義兄と連絡がつかない!

義父母には二人の息子がおり、夫は次男。県をまたいで車で数時間ほどの距離に、独身の長男(私にとっては義兄)がいます。

 

二人ともとっくに中年の域に差し掛かっています。自分たちの両親のこれからのことはもちろん、自分たちだってそろそろリタイアやその後の人生を見据え、しっかり考えているのか、と思いきや…。

 

これがさっぱり、ぼんやり、のんびりしているのです。

 

コロナ禍で自粛し始めて2年近くが経った頃、義父母が「お兄ちゃんと連絡が取れない」と騒いだことがありました。

 

聞けば、何度も義兄にLINEで連絡をしたり、電話をかけたりしても、いっさい返信がない。既読もつかない。とのこと。

 

ひとり暮らしの義兄のこと、もしかして部屋で倒れたりしているのではないか…といった事態も頭をよぎり、夫に「連絡してみて」と言ってもみたのですが、どうにも夫には切迫感がありません。

 

連絡が取れない期間が10日を過ぎ、いよいよ痺れを切らした義父母が、義兄の家まで行ってみる、マンションの管理人さんに鍵を開けてもらえるよう頼んでみる、最悪の場合は警察に…などと言い出した矢先のこと。

 

ようやく義兄と連絡が取れました。

 

聞けば、体調に問題はなく、忙しくて連絡に気づかなかった、スマホの通知をオフにしていた、とのこと。

 

いやいや、後期高齢者の両親がいて、いつ何時、緊急事態の連絡があるかわからないのに?両親からの連絡を通知オフにしている??

 

そして同時に、そんな義父母と私の切迫した様子を見ておきながら、自分からは一度も義兄に連絡をしていなかったことが判明した夫についても併せて、

 

「兄弟揃って危機感がないのにも程がある!!!」

 

と拳を握る同居嫁でした。

義兄が通知オフしていた理由

しかし、義兄の気持ちもわからなくはありません。

 

なぜか我が家のLINEグループには、別居している義兄も含まれているのです(義母が招待した)。

 

毎日何件も何件も、やれ何時に帰るだの夕飯はいりませんだのという日常の連絡の通知がスマホに入るのはどう考えても面倒です。ここについては通知オフの判断は正しい、というかそもそも別居家族をメンバーにしているほうがおかしいのです。

 

さらに、独居の息子を気遣う両親からのLINEが煩わしいだろうことも、まあ気持ちとしてはわかります。わかりますが、何度も言いますが、義父母の万が一の緊急事態に連絡が取れなかったら、私たち夫婦はどうしたらいいのか?

 

そもそも実の兄弟なんだから、夫と義兄が二人で連絡を取りあえばいいはずなのですが、前述のように二人ともよく言えばおっとり、悪く言えばぼんやりとした性格で、積極的に連絡を取り合うタイプではありません。

 

仕方ないので私も間に入り、義兄と夫と私の3人でLINEグループを作るしかない、そしてその連絡には必ず反応をくれるように義兄にお願いするしかない...!と考えたのが昨年末のことでした。

戸惑う義兄とフォローのない夫

折よくコロナの感染状況も少し落ち着き、2年ぶりの正月の帰省を果たした義兄。

 

しばらくぶりに会う両親の衰えを感じ、自分から何かアクションがあるのでは…わざわざ私から「LINEグループ作りましょう!」とは言わずに済むのでは…といううっすらとした期待は当然のごとく裏切られます。

 

なんということもないのんびりとしたお正月の空気が流れるなか、義父母の前で「実子だけのグループを作ろう」とはなかなか言い出せず…。

 

ようやくやってきた、息子たちと私の3人の時間、迷いつつも結局私は唐突に「3人だけのLINEグループを作りませんか?」と切り出す羽目に。

 

明らかに戸惑っている義兄と、事前に伝えておいたにも関わらず特にフォローのない夫。

 

あなたたちの!!ご両親のことで!!連絡が必要になる時があるでしょうが!!

 

叫びたいのをこらえつつ、とにかく目的のグループ作成を成し遂げ、小さく小さく一歩前進したお正月でした。

文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ