「直感に従うと良い」そんな言葉を有名人や成功者が多く口にします。ただ、「直感に従って決めてみよう」と思っても、「あれもこれもしたい」「あれはしたいけど、この部分は嫌」と、いろいろな考えが湧いてきて「一体どれが直感なんだろう?」と頭を抱えることはないでしょうか。そもそも、直感と頭で考えたことの違いはどうやって見極めるのでしょう。そして、どうして直感に従うと人生がうまくいくと言えるのでしょうか。提唱している作家の浅見帆帆子さんに聞きました。

直感に従うことで人生はうまくいく

── 浅見さんは頭で考えたことではなく、直感で選んだ方が良いと著書『やっと本当の自分で生きられる』でもおっしゃっていますが、それはどうやって見分けるんですか。

 

浅見帆帆子
作家の浅見帆帆子さん、オフィスで

 

浅見さん:

直感というのは「理由もなくふと感じること」です。例えば何かを見たり聞いたりして「なんだかワクワクする」という感覚には理由がないですよね。ただ、そう感じる、それが直感です。

 

── やってみたいとワクワクしている気持ちと、上手くいかなかったらどうしようという気持ちの板挟みになったらどうされますか。

 

浅見さん:

「上手くいかなかったらどうしよう」というのは、頭で考えているわけですよね。「上手くいかなかったらどうしよう」と思うのに、「やってみたいと思うのはなぜか」ということです。

 

失敗するかもしれないと考えているのに、やってみたいと感じている、これが直感なんですね。無条件に「なんだかいい気がする」とか「面白そう」と感じるのは、「やってみたら面白いことになるよ」というサインなんです。

 

何かを決めるとき、ただ、「ワクワク」するか「モヤッ」とするかで決めたら、決断は早いですし、他の人の意見にも揺れないで済みます。

 

── どうして直感に従うと良いのでしょうか。

 

浅見さん:

その「ワクワク」とした感覚(直感)の通りに決めて上手くいった経験を繰り返しているからです。もちろん逆に「モヤモヤする」と感じることは、それこそ直感なので、それだけの理由でやめます。それと直感には「突然ふと思いつく」という種類もあるのですが、それが来たら直感を活用するコツは頭では考えないことです。「こんなことしている場合じゃない」などと頭で考え始めるとチャンスを逃してしまいます。

 

すぐに行動に移すことも大切です。時間をかけると頭で考えていることに侵食されていきます。直感を使って上手くいったときは、あとからそのときの感じ方を思い出し、その感覚を覚えておくことも大切です。

 

ふと思いつく直感を活用するコツは頭では考えないことです。「これをしてどうなるんだろう」などと頭で考え始めるとチャンスを逃してしまいます。

「自信がない」頭で考えたこと

── モヤッという感覚はどんな感覚ですか。

 

浅見さん:

「モヤッ」という感覚は、違和感を感じとっているからです。見過ごさないようにしてください。例えば、「やりたい」という気持ちがあった上で「できるか自信がない」とか「方法がわからない」という場合は、直感ではやりたがっているので、結果的にやっていいわけです。「自信がない」というのはその経験がないだけだし、やると決めれば方法も必ず出てきます。

 

そうではなく、根拠のない「モヤッ」とした感覚や、理由のわからない迷いの感覚があるときは、やめたり、一時停止して様子を見た方がいいですよね。その感覚も意味があってそう感じているからです。

 

「モヤッ」と感じるものは選ばなくていい、これは大切です。これからの時代は、判断の基準が自分の心の感覚なんですよ。そこに世間の常識や他人の意見とか入れてはいけない。自分がそこにワクワクしなかったら意味ないじゃないですか。幸せになるためにやっているのですから。そこが基準ですね。

 

直感で選ぶと全てがうまくいく。慣れていない人が直感で選択し始めると面白いことが次々と起こって、こんなに簡単なことだったのか、とわかると思います。

 

PROFILE 浅見帆帆子

浅見帆帆子さん
作家。東京生まれ。大学卒業後ロンドンに留学、帰国後出版した『あなたは絶対!運がいい』他、著書はシリーズ累計600万部を超え、世界でも出版されている。近著は『やっと本当の自分で生きられる』。連載、講演、YouTube、ファンクラブを通し、読者との交流も活発に行う。

取材・文/天野佳代子 写真提供/(株)ホホコスタイル