家計の見直しについて話そうといっても、「また今度にしよう」とはぐらかされる。お金のこと、パートナーにも考えてほしいのに、協力してくれない…。
自分はお金のやりくりを考えているのに、パートナーが非協力的な夫婦もいます。家計再生コンサルタントの横山光昭さんは、「あることに目を向ければ協力的になるでしょう」と、アドバイス。その「あること」とは?
自分が「苦手な作業」を助けてもらう!
お金のやりくりをパートナーに協力してもらうために、私がおすすめするのは、「自分が苦手なこと」に目を向けることです。
家計簿をつける、マネープランを立てる、お金を運用する…。お金を上手にやりくりするには、いろいろなことを考えて実行する必要があります。
お金に対する意識が高い人は、すべて自分で行うかもしれません。でも、少し考えてみてください。なかに苦手だと感じること、うまくいかないこと、興味がわかないことはありませんか?
「家計簿ソフトを使うのが苦手」「資産運用は興味が持てない」など、ひとつやふたつは積極的になれない作業があるはずです。それをパートナーに思いきって任せてみるのです。
ポイントは、「自分は苦手なので、助けてほしい」姿勢を示すこと。「私には難しいので、力を貸してほしい」「私がやるとうまくいかない。相談させて」などというわけですね。
弱みをさらけ出せば夫婦はうまくいく?
「私のパートナーがやるはずがないですよ」「夫はできないと思います」。仕事を任せる提案をすると、そう思う人は少なくないでしょう。
しかし、人は頼られると悪い気はしないもの。「面倒くさいな」などと言いながら、意外と協力してくれる可能性があります。「私にはできなかった…」と弱みを見せれば、なおさらやる気を出す人も少なくありません。
実は、「パートナーのどちらかが自分のダメさをさらけ出して、相手に甘える」夫婦は、意外とお金のやり繰りがうまくいく傾向があります。
先日、家計相談に訪れたあるご夫婦がその典型でした。「家計簿をエクセルで自作しよう」という話になったのですが、「私できないから、やって」「入力も間違えるから、お願い」と妻が頼りまくるのに対し、夫は渋々ついてきた様子だったのに、嫌な顔をすることなく引き受けていました。
真相はわかりませんが、実は、妻は本当にダメなのではなく、ダメな部分をつくって巻き込んでいるのではないか、という印象も受けました。そうした「スキ」をつくることが、パートナーを協力的にするコツといえます。
「パートナーに任せられない」なら、少しずつ頼めば良いでしょう。たとえば、資産運用をするなら、運用資金の一部だけを任せるのです。
それで、目に見える成果が出れば、パートナーは自信を持ちます。すると、家計について興味が出てきて、より協力的になるかもしれません。少なくとも、後先考えずに散財するなど、家計で足を引っ張ることはなくなるでしょう。
自分が苦手で、パートナーにお願いできそうなことは何か?ぜひ探してみてください。
監修/横山光昭 取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ