三世代同居でしばしば問題になる「食」。
とくに台所が共有の、我が家のような完全同居スタイルの家庭では、味つけやメニューのジェネレーションギャップが問題になりがちです。
我が家は10代から80代まで年齢層も幅広いのですが、食卓に登場するメニューは意外なほどにしっかり「がっつり」なのです。
容赦なく投入される新世代メニュー
我が家の献立は、あまり高齢者に配慮したものという感じではありません。
幸いにして義父母ともに元気で歯も比較的丈夫、そして何よりありがたいことに、二人とも、目新しい食べ物、食べたことのない料理への好奇心を持っているのです。
それをいいことに、主な夕食担当である私は、わりと容赦なく、義父母の食べ慣れないであろう新世代メニューをどんどん食卓に投入してしまいます。
子どもたちの好物であるタコスやワカモーレなどのメキシコ料理、カレーはカレーでもグリーンカレーやスパイスたっぷりのインドカレー、エスニックな生春巻きやヤムウンセン(タイ風春雨サラダ)などなど…。
最近料理をよくするようになった高校生の息子は、流行に乗ってか?ヤンニョムチキンやスパムおにぎりなどを作ったりしています。
見慣れない料理を作ったときは、義父母によく「これは何?」と聞かれますし、食べ慣れないスパイスの風味に首を傾げたりしていることもあります。
しかし、いつも最後には「こういう(新しい)ものを一緒に食べているから、私たちも元気でいられるのよね」と言ってくれるのです。
いや、何でも食べられるから元気なのではなく、元気だから何でも食べられるのでは…卵が先か鶏が先か…?と思ったりもするのですが、義父母がそう思ってくれているならばありがたいことです。
義父母の胃腸が元気すぎる
また最近では、私の仕事が遅くなる日は義母に夕飯の支度をお願いすることも増えました。そんなときの義母メニュー、さぞあっさりした和食になるかと思いきや…。
なんということでしょう、私が作るときよりも圧倒的にこってりがっつりメニューの連発なのです。
具体的には、トンカツ、から揚げ、カレー、ヒレカツ、天ぷら、それに副菜にポテトサラダ…という感じ。つまりは異様な揚げ物率(と炭水化物率)なのです。
これはひとえに、義母の「孫たちが喜んで食べてくれるものを作りたい」というありがた~い気持ちからです。しかし、しかしです。さすがに週3回の揚げ物はきつい。私も夫もすでに中年の域に達し、最近とみに脂っこいものへの胃腸の耐性の低下を実感しています。
しかし…そんな揚げ物のオンパレード、80代の義父も70代の義母も、苦もなく一人前をしっかりぺろりと平らげているのです。
義父母を差し置いて、私たち夫婦が弱音を吐くわけにいかない…というかやっぱり、食べているから元気なんじゃなく、もともと元気だから食べられているだけなんじゃないだろうか…。
義母の揚げ物攻めはきついけど
「明日の夕飯は私の担当だからチキンカツにするわね!」と意気込む義母に、いやチキンソテーにしてください、なんなら蒸し鶏にしてください、とはなかなか言い出せない同居嫁です。
しかし、義父母もとっくに後期高齢者。
いつか…いや近いうち、「もっとあっさりした、柔らかい献立にして」と言われる日が来るんではないかと、覚悟だけは決めています。
いざそう言われる日が来たらきっと寂しいだろうな…そんなふうに考えると、義母の揚げ物攻めにもしばらくは耐えていける、そう思うのでした。