「なかなかお金がたまらない人は、財布を買い替えることをおすすめします」と話すのは、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。具体的には、今よりも小さなサイズの財布に買い替えると良いといいます。その理由とは?

財布が小さいと「出費」に敏感になれる

なぜ、今よりも小さなサイズの財布に買い換えると、お金がたまるようになるのでしょうか。その理由は、「自分のお金の使い方を見直す機会が自然と増えるから」です。

 

サイズを小さくすると、レシートや割引券などがすぐにたまるので、自然と財布の中をこまめに整理整頓するように。すると、自分の出費に敏感になり、ムダ遣いが減るというわけです。

 

また、財布を小さくすると、クレジットカードやポイントカードが何枚も入れられなくなるので、枚数を絞り込む必要があります。すると「このカード、使っていないから、要らないのでは?」と気づくことは少なくありません。

ポイントカードを持ちすぎると損する理由

真っ先に見直したいのは、クレジットカードです。そもそも私は、家計管理の面から、クレジットカードは使わない方がいいと考えています。カードを使うと、お金のやり取りが見えなくなり、家計管理がしにくくなるからです。お金に余裕がなくても買い物ができてしまい、ムダな買い物もしがちです。

 

まして2枚も3枚もクレジットカードを持つと、より家計管理がしづらくなります。複数のカード会社に年会費を払うのもムダな出費。年間1000円程度でもチリも積もれば山となります。小さなサイズの財布に変えるときに、カードの絞り込みも検討しましょう。

 

また、ポイントカードも、絞り込みたいところです。財布が大きいと何にも考えずに放り込みがちですが、何枚もあると知らぬ間にポイントが失効され、お得の恩恵を受けられないことも。絞り込めば、ポイントを把握できるようになり、同じカードに貯める意識が働くようになるでしょう。

 

ちなみに、最近はスマホの決済アプリやポイントカードアプリを利用する人が多いと思いますが、こちらも多すぎると、家計管理がしづらくポイントがムダになりがち。アプリも絞り込みが有効です。

小さい財布が嫌なら「財布の2つ持ち」を!

ただ、「小さな財布だけではムリ!」な人は、「財布の2つ持ち」をおすすめします。実は、私や妻もそのタイプ。たとえば私は、普段は少額の現金しか持ち歩かないので、二つ折りの小さな財布を使っていますが、まとまったお金を使うケースに備えて長財布も持っています。

 

妻も、普段は小さな財布を持っていますが、もう一つ、すぐに使わない商品券や外貨などを入れておく財布を持っています。用途によって財布を変えるのは一見不便に見えるかもしれません。しかし、いちいち変えることで、そのつど自分の消費を考えるきっかけが生まれます。

 

つまり、消費について考える機会が多いほど、お金に敏感になり、お金がたまる体質になっていくのです!

監修/横山光昭 取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ