2.犯人を特定する
ネット誹謗中傷被害に遭ったときには、記事の削除をさせるだけでは不十分です。削除しただけでは、投稿者には何の痛みもないので、また同じことが繰り返される可能性があるからです。相手に違法行為を辞めさせないと、「嫌がらせの投稿が行われては削除をする」、という「いたちごっこ」になってしまいます。
相手にペナルティを与えるためには、まずは相手を特定しなければなりません。SNSやネット掲示板などでは匿名での投稿が多いためです。匿名の投稿者を特定するためには、裁判所で「仮処分」や「裁判」などの手続きが必要になりますが、これらの手続きはとても専門的で素人がひとりで対応するのが難しいです。相手を特定するなら、法律の専門家である弁護士に対応を依頼しましょう。裁判の手続きを進めていくと、最終的に相手の氏名や住所、メールアドレスなどの情報を得ることができます。
3.慰謝料請求をする
犯人を特定できたら、相手に対して「慰謝料請求」ができます。名誉毀損的な投稿を行うことは「不法行為」になるからです。慰謝料の金額はケースによっても異なりますが、個人的な誹謗中傷のケースでは、数十万円程度となることが一般的です。
4.刑事告訴する
ネット上の誹謗中傷行為が悪質な場合「名誉毀損罪」や「侮辱罪」が成立するケースがあります。たとえば「あの人は不倫している」「あいつは部落出身」「精神障害者」などと書かれた場合などです。これらの犯罪は「親告罪」なので、被害者の方から積極的に刑事告訴しないと、相手を処罰してもらうことができません。そこで、警察に「告訴状」を提出して、相手に対する厳罰を求めましょう。
5.二度と書かないと約束させる
犯人が特定できて慰謝料請求や刑事告訴をするなら、「もう二度と嫌がらせの投稿をしません」という誓約書を書かせることも役に立ちます。これにより、再発を防いで安心してSNSを利用できるようになるからです。
以上がSNSや掲示板で誹謗中傷されたときの基本的な対処方法です。今後ご自身やご家族がネットを利用する際の参考にしてみてください。
取材・文/福谷陽子