“やらなきゃ”とは思うけど、忙しくて見て見ぬふりをしがちな自宅の掃除。「生活していれば汚れがつくのは当然。義務感や罪悪感なんて持つ必要ないですよ」と、掃除芸人の佐藤満春さん。でも、仕事同等の達成感が掃除にはあるとか。一体どういうことですか!?
掃除の正しい方法さえ知っておけば確実にキレイにできる!
家事や育児、仕事など忙しない日常に振り回され、ないがしろにしがちな掃除。今日こそやろうと思いつつも後回しにしてしまい…。そう罪悪感を抱いてしまいがちですが、「もっと気楽にとらえてほしい」と佐藤さん。
「生活していれば、汚れがつくのは当然です。だから汚れていることに対して嫌悪感を抱く必要もないし、掃除を絶対的な義務に感じるなんてないんですよ。1個の汚れがつくと、そこにまた汚れがついていくから日々、汚れを落とすのが一番効率がいいのですが、忙しいとそうはいきませんよね。
でも汚れって、正しいアプローチや方法を知っていれば、必ず落ちるんですよ。僕だって面倒くさいって思うことは多々あります。究極的には掃除しなくたって、死にはしませんから(笑)」
そう忙しい人の背中を押してくれる佐藤さんですが、だからこそ「どうせ掃除するなら、楽しんだ方がいい」とも語ります。
「僕が掃除好きなのは、やればやるほど目に見えて結果が出るところ。汚れはその人が生活した背景や歴史が反映されるものです。その汚れに対していろいろなアプローチをして汚れを落とせたときは、なんとも言えないカルタシスを感じてしまいます。
反対に、想定していた方法で汚れが落ちない場合は、どうやって汚れを落とすかを考えるのも楽しい。僕のようになってほしいとは言えませんが(笑)。どうせ掃除するなら楽しんだ方がいいじゃないですか?」
コゲには重曹!正しい掃除道具の選び方
汚れが落ちていく体験や達成感を感じられれば、少しは掃除が楽しくなるかもしれません。そこで、キッチン掃除の中でも難易度の高いコゲ落としの方法を教えていただきます。
「キッチンの汚れは、水垢、油汚れ、コゲ、菌、ホコリと、概ね5つしかありません。水垢には酸性洗剤、油汚れにはアルカリ性洗剤と、汚れ別に対処すればほぼ汚れは落ちます。
そんななかでも、五徳やフィルターなどがコゲついている場合は、重曹を使うのがおすすめです。重曹を振りかけて50℃くらいのお湯に30分ほどつけ、スポンジで擦って水ですすげばコゲ汚れが落ちますよ」
また、鍋の裏のなど頑固なコゲ汚れには、最新の洗剤や掃除グッズを使うのもおすすめだそう。
「茂木和哉の洗剤やレジェンド松下のコゲ用のタワシなど、今は汚れ落としの技術革新が進んでいるので、いい洗剤やアイテムがたくさん出ています。ただ、汚れって本当に人それぞれなので、どれが効果的かも人それぞれ。いろいろな商品を使って汚れにアプローチしてみて、掃除の工程自体を楽しんじゃうのもひとつの手ですね」
汚れに対するアプローチ方法は、必ずしもひとつじゃないと教えてくれた佐藤さん。汚れが落ちていく過程や、掃除の工程まで楽しんでしまえば、面倒な掃除に対する考え方が変わっていきそうです。
PROFILE 佐藤満春さん
1978年生まれ、東京都町田市出身。お笑いコンビ・どきどきキャンプ、放送作家、構成作家、ラジオパーソナリティ。トイレの魅力に目覚め、トイレ掃除専門店の会社への修行を経て、掃除マニアに。著書に『感動の掃除術』(宝島社)などがある。
文/船橋麻貴