「自分を大切にする」ことを学ぶプログラムとは

この他にも、「自分を大切にすること」を学ぶプログラムを受けさせることも有効だと思う。
2つの例をご紹介したい。 ひとつは「CAP(Child Assault Prevention)」。 アメリカで開発されたこのプログラムは、子どもが、いじめ、虐待、性暴力など、さまざまな暴力から自分の心と体を守るためのもの。子ども自らが基本的人権について学び、自分自身が生まれながらにして大切な存在であることを知るためのプログラムだ。 危険な状況を「いや」という感覚で察知したり、自分を守るための行動の選択肢があることも学ぶ。38歳の子どもたち向けには、人形劇やロールプレイを通して、わかりやすく伝える工夫も。地域のCAPグループが、保育園や幼稚園、小学校などに出向いて教えたり、行政主催の講演会やワークショップがある。
●「NPO法人CAPセンター・JAPAN」ホームページhttp://cap-j.net/

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もうひとつは「誕生学」。 こちらは「誕生」を通して、子どもに自分自身の産まれてくる力を伝え、再確認することで、自尊感情を育むことを目的にしたプログラム。

幼稚園や小学校低学年までは「みんなおへそあるよね?」といった導入からはじまり、「自分がお腹の中でしてきたすごい力」について伝える。小学校高学年からは、変わってゆく体と心について、また自分をきちんと守るための知識も。誕生学アドバイザーが、全国の小中学校などへ出向く出前授業を中心に活動している。


●「公益社団法人 誕生学協会」ホームページhttp://tanjo.org/

ちなみに筆者は誕生学アドバイザーに依頼し、地域の子どもたちを集めて「誕生学セミナー」を開催したことがある。出産シーンを映像で見たり、人形を使って誕生の仕組みを教えてもらっていたが、小学生男子たちはまじめに話を聞いており、未就学の女児たちもこわがることもなく、目を輝かせて聞いていた。