4月に『男子ファッション最強図鑑』を上梓されたばかりの人気スタイリスト・山本あきこさん。前回はパートナーのファッションをおしゃれに見せるテクニックについて、本人の私物アイテムを例にしてじっくり解説していただきました。
今回は、今の働く女性にふさわしいファッションについて。コロナ以降、私たちの生活は大きく変化しましたが、ファッションはどうシフトしていくのがいいのでしょうか?今回も山本さんの私物ファッションアイテムをお見せしつつ紹介します!
アフターコロナで変化したファッション観とは?
── コロナ以降、ご自身のファッションに変化はありましたか?
山本さん:
荷物がどんどん減ったことに伴いバッグもコンパクト化していることですかね。コロナ以降、自宅で仕事をする機会が増えて、PCを持ち歩かなくなったことで、一気にバッグが小さくなりました。
財布は下の写真のミニウォレットを首から提げて使っています。そこに仕事でPCが必要なときはサブバッグをプラスして持ち歩く感じ。荷物はどんどん減らしていて、もはや化粧ポーチも持たなくなりました!
カラーアイテムこそリモートワークの必需品!
── 思いきって処分されるのは、清々しいですね! 自宅で仕事をする機会が増えたとのことですが、読者も同じ状況だと思います。在宅勤務時のおしゃれって、何をポイントにすればいいのでしょう?
山本さん:
コロナでずっと家にいると気分が滅入りやすくなるので、きれいな色の服を選んで気分が上がるようにしています。あとはオンラインでの打ち合わせが増えたので、あの四角い画面の中に映えるアイテムを選んだり…。
── “オンライン映え”するアイテムというのは?
山本さん:
ラベンダーやミント、ピーチカラーなどのフルーティなカラーです。もしトップスに色ものを選びにくいなら、ピアスやイヤーカフなどを身に着けるのもアリ。いつもより大振りでちょっとインパクトのあるデザインがおすすめです。最近は「スリーコインズ」などでリーズナブルにおしゃれなピアスが手に入るので、まずはプチプラブランドで探してみるといいかもしれません。
── 大振りピアスは小顔効果も期待できそう! 「スリーコインズ」ものぞいてみたいです。 ほかにこだわっていることはありますか?
山本さん:
着心地を重視するようになりましたね。最近はやわらかく肌あたりのいい素材のアイテムばかり着ています。締め付け感のないふわっとしたワンピースなど、ゆるーく着こなせるアイテムが増えているかも。
加速するピアス熱…私物コレクションはまさかのプチプラ多数!
── コロナ以降、2回目の夏がやってきますが、今年はどんなファッションを楽しみたいですか?
山本さん:
ワンピースやTシャツスタイルにネックレスの重ね付けを楽しみたいですね。例えばパールのネックレスにゴールドチェーンとイニシャルのネックレスを重ねてみたり…。ネックレスは3つ、4つ…と複数レイヤードするのが今の気分。
それと、先ほども触れましたが、ピアスなどのアクセサリーをもっと取り入れたいなと。夏はTシャツのシンプルなスタイルが多くなりがちなので、変化をつける意味でもアクセサリーを主役にしたコーディネートが素敵だと思います。
重たい空気を一蹴するトレンドのパワーを味方に!
── Tシャツはとにかくラクなので、何も考えずに選んでしまいがちです。今年はマンネリしがちなTシャツスタイルに希望が持てそうな予感(笑)。
山本さん:
それはよかったです(笑)。でも今年はTシャツだけじゃなくて、装飾性のある服も取り入れたいところ。ここ数年は、ベーシックで削ぎ落とされたデザインが主流でしたが、今年は袖にボリュームのあるデザインや異素材を使ったトップスやフリルがついたタイプなど、デザイン性に富んだアイテムが増えているんです。
トレンドって面白いもので、その時代を写す鏡なんですよね。世間が暗いムードのときはカラフルなアイテムや凝ったデザインが出てくる。なので、私もそういうアイテムを積極的に取り入れて、コロナによって沈んだ空気を一蹴できたらと思っています。「とりあえずトレンドに乗っかってみる!」という心意気が今は大事かもしれません。
OVER30代のファッション迷子…共通する意外な盲点とは?
── 私も試してみたいけれど、凝ったデザインのものを着こなせるかちょっと不安です。それでなくても、30代を過ぎると、手持ちの服が急に似合わなくなったと感じることが…。この問題はどう解決すればいいでしょうか?
山本さん:
「いつものファッションが急に似合わなくなった。何を着たらいいですか?」という質問はよくいただきます。悩んでいる方が多いんですね。
まずはシンプルベースでゆったりしたサイズのアイテムを選んでみてください。ゆったりしたサイズが体型カバーの役割を果たしてくれます。シンプルなアイテムを選び色で遊ぶというのも手です。特に、顔色が明るく見えるきれい色がおすすめ。そして、アクセサリーの力を借りること。取り入れるとパッと華やぎますし、こなれ感も出てコーディネートが素敵にまとまりますよ。
あと、見落としがちなのが髪型やメイク。「洋服を変えたのにまだしっくりこない…」という方は、もしかするとメイクが古いのかもしれません。髪型やメイクを変えるのは、服を全身取り替えるよりも見直しやすいはずです。髪の長さを変えたり、前髪をつくったりするだけでも全然違います。
── スイート系のコーディネートが好きな方もいます。大人が甘めコーディネートをする場合、ともすれば痛い感じになることもありますが…諦めた方がいいのでしょうか?
山本さん:
諦めなくても大丈夫ですが、今までとは少しやり方を変える必要があります。まず、女性らしさを引き出してくれる素材に注目してください。やわらかいシフォンや光沢のあるサテン、これらの素材を使ったブラウスやスカートをひとつ取り入れるだけでも甘めの雰囲気を効果的に演出できます。ピンクをミックスするだけで十分な場合も。うまく引き算して、好きなテイストを楽しめるといいですね。
プチプラ商品もうまく活用してトレンドを押さえつつ、存分にファッションを楽しんで欲しいです!
Profile 山本あきこさん
女性誌や広告など数多くの媒体でスタイリストとして活躍。「センスは持って生まれたものではなく鍛えられる」という信念のもと、一般女性向けにスタイリングアドバイスを行う活動を開始すると、予約開始と同時に申し込みが殺到。「予約の取れないスタイリスト」に。今まで関わったクライアント数は1万人以上、つくったコーディネート数は35万を超える。最新著書『見るだけでパっと決まる! 男子ファッション最強図鑑』(かんき出版)が好評発売中。6月4日には、新著の発売を記念した無料のオンライントークライブを開催予定。
スタイリング/山本あきこ 取材・文/望月琴海 撮影/古水 良
※記事内で紹介した商品はすべてスタイリスト私物です。