仕事や家事育児、生活の中で感じるモヤモヤ。

 

「暮らしに前向きな変化を起こす」をテーマに、イラストや文章をSNSなどで発信している描き子さんはどう感じ、考えているのでしょうか。

 

今回は、不適切だと散々言われている「子どもまだ?」発言について。

 

この世のモヤモヤは、自分の視点を変えてみれば楽になる…かもしれません!

子どもの話題が喉まで出かかる子持ち

「早く子ども作りなよ」「子どもまだ?」

 

こういう言葉がどれほど無神経であるか。

 

散々語り尽くされた感のある話ですが、それでもなお、こうした質問に悩まされる人は少なくないようです。

 

親が自分の子に向かって「子どもを産め」というのはわかりやすい話で、単に「孫の顔が見たい、可愛がりたい」という単純な欲求からきているのだと思われますが、子どもを産めと迫ってくるのは、自分の親だけではありません。すでに子どもを産んだ友人や出会ったばかりの人から、しつこく子どもを勧められることも。

 

人はなぜ、血の繋がりもない他人に向かって「子どもを産め」と言わずにいられないのでしょうか。

友達だからこそ、同じ立場になってほしい

多分1番大きな理由は、自分がした苦労を他人にも経験してほしいと思ってしまうから、ではないかと思うのです。

 

これは決して「私も苦労したんだから、あんたも苦労してくれないと割りに合わない」みたいな、自分だけ損したみたいで嫌だ、というようなわがままだとは限りません。いえ、厳密にはそういう場合もあるでしょうが、多くはないと思います。

 

むしろ、「同じ苦労を分かち合える仲間になってほしい」という親愛の気持ちがあるからこそ、「あなたにも同じ苦労をしてほしい」と思うのではないでしょうか。

 

私自身、自分の友達に対して、もちろんその子が子どもを作りたくないなら全く反対などしませんが、もし産んでくれたらすごく嬉しい…という気持ちが、正直、確かにあります。

 

友人同士で、育児という大変なミッションに協力して立ち向かえるのはすごく心強いし、励ましあえたらいいなあと思ってしまうのです。あと、大好きな友達の子どもと遊んでみたいというのもあるし。

 

だから「子ども産めば?と言いたくなってしまう人」の気持ちも少しはわかってしまいます。自分では言わないように当然気をつけてますが。

 

すでに子どもを持ち「子どもがいることが当然になった」人間は、つい「子どもを持つ持たない」という話題がはらむ繊細さ、危うさを忘れてしまいがちなのですよね。

 

こうした発言の奥にあるのは必ずしも悪意とかおせっかいとかデリカシーのなさといったマイナスなものばかりではなくて、あなたと同じ気持ちを共有してみたい、という親愛の情だったりする。

 

子持ちの甘えかもしれませんが、そんな風に思ったりします。

 

「子ども産みなよ」という発言は、やっぱりマナーとして、不用意に投げかけていいものでない。それは間違いありませんけどね。

 

文・イラスト/描き子