現在の仕事観について話してくれた紗羅マリーさん

『ニワトリ☆フェニックス』(公開中)は、主人公たちと旅をしている気分を味わいながら、「友とは?」「人生とは?」「仕事とは?」「家族とは?」についても考えさせられる物語。

 

本作でヒロイン・謎の花嫁役を演じている紗羅マリーさんに、仕事観や、結婚観についてお話を伺いました。

出産を機に仕事への考え方に変化が

仕事は生活があってこそのもの、と語る紗羅マリーさん

── 紗羅さんにとっての仕事とは?

 

紗羅さん:

仕事とはご飯を食べるためにすること、あったかい布団で寝るためにすることだと思っています。私は好きなことを仕事にさせていただいているので、それだけですごく幸せな人生です。

 

でも、世の中の人すべてが好きなことを仕事にできている訳ではありません。自分はすごくラッキーなほうなんだと実感しているからこそ「好きなことをやればいいじゃん!」とは簡単に言うつもりはありません。だけど、生活のために仕事はしても、仕事のために生活はしないで欲しい、とは願っています。

 

── 好きなことを仕事にしていても、好きなことだけをやれるわけでもないですしね。

 

紗羅さん:

好きなことを仕事にできている時点で、すごくありがたいことと噛み締めています。ですが私も、昔は仕事のために生活をしていました。仕事に効率の良い場所に住み、いつでもどんな仕事にも対応できるような髪型、髪色にしておくなど、仕事のために生きていました。

 

今はもう、あったかい布団で眠れて、おいしいごはんが食べられれば、それだけで幸せ。生活の基盤をしっかりさせて、生活を充実させる。そして、その生活をキープできるように仕事をするという考え方に変わりました。すごく楽になりました。

 

── 考え方が変わったきっかけは?

 

紗羅さん:

子どもを産んだことです。自然と仕事より子どもを優先するようになっていきましたね。きっかけではあったけれど、とても自然な流れでした。もし、子どもを産んでなかったら、今でも仕事のために生活していたと思います。

ストレスは嫌い「かわすのが得意かも(笑)」

「空気みたいにいられる結婚をしたい」と話す紗羅マリーさん

── 謎の花嫁にちなみ、結婚観について伺います。紗羅さん自身、年を重ねることで結婚観に変化はありましたか?

 

紗羅さん:

学生の頃はお付き合いする人ができると「この人と結婚するのかな」みたいな乙女な思考でした(笑)。でも、20代に入るとあまり結婚願望はなく。なんだったら結婚したくないタイプに変わりました。ただ、子どもはずっと欲しいと思っていましたね。

 

今は、「空気」みたいにいられる結婚をしたい、とは思いますね。無理をせずに、当たり前に二人でいられるというか。

 

── 仕事も結婚も流れに任せて…という印象です。

 

紗羅さん:

無理をしたり、流れに逆らえばストレスになりますよね。ストレスが嫌いだから、なるべく抱えないような方法を自然に選んでいるのかもしれません。ストレスのもとは降ってくるけれど、それをフッとかわすのが得意なんだと思います(笑)。

 

── 「なにかから少しだけ逃げたかった」というポスターのコピーにちなみ、紗羅さんが逃げたいことを教えてください。

 

紗羅さん:

マネージャーさんからの「どうするか決めてください」メールから逃げたいですね(笑)。それは冗談ですけど、私、“メール”っていうのがなかなか掴めていなくて。

 

どんなときに送っていいのかも、終わらせ方もいまいちわからない。もっと簡単な気持ちでみんなに送れたらいいんですけど、自分からは「この日は何をしている」みたいな事務連絡的なことしか送れないんです。

 

今時っぽくないかもしれないですけど、メールよりも電話、電話よりも会って話すほうが好きなタイプ。でも、連絡したいとは思ってるんですよ。できないだけで。そんな面倒くさい自分から逃げたい!かな(笑)。

 

PROFILE 紗羅マリーさん

1986年生まれ。10代の頃からモデルとして活動開始。女優、歌手、自身のファッションブランドirojikakeのデザイナーも務めるなど、幅広い分野で活躍中。2017年にミュージカル舞台『RENT』、2018年に映画『ニワトリ★スター』2020年『花と雨』など。Instagramのアカウント@saramary12では、プライベートも含め日々の情報を発信している。

取材・文/タナカシノブ ヘアメイク/奈良 裕也(SHIMA) スタイリスト/小川夢乃