2020年から2021年にかけての年末年始は、新型コロナウイルス第3波の広がりやGoToトラベル停止などもあり、帰省を見合わせる人が増えました。

 

また近くに住んでいる親戚や友人とも年始のあいさつや新年会を控え、例年なら会える相手と会えずにお正月を過ごした人も多かったことでしょう。

 

お正月といえば「お年玉」ですが、今年、世間ではやりとりや金額に変化はあったのでしょうか?

 

独自にアンケートを実施して聞いてみました。

お年玉の金額「今年は減った」人が40.5%

今回はインターネットで、例年、祖父母・親戚・友人とお子さんのお年玉をやりとりしている20代~50代の男女40人に対し、

 

「今年は例年と比べて金額は変わりましたか?」

 

という質問をしたところ、結果は以下のようになりました。

 

  • いつもどおり手渡しできて金額も変わらない…37.8%
  • 今年は会えなかったが代替手段で渡し、金額は変わらない…21.6%
  • 今年は会えないので渡せず、金額が減った…40.5%

 

「いつもどおり」だった人は、祖父母と同居または近隣に住んでいる人が多いですが、中には感染に十分注意しながら帰省したという人も。

 

「うちも実家も、感染の少ない地域同士だったので。公共交通機関ではなく車で帰省し、なるべく密にならずに過ごしました」(Uさん・35歳・3歳児と1歳児のママ)

「いつもとは違うお年玉」代替手段もいろいろ

「代替手段」と回答した人は、以下のような形でお年玉を受け取ったそうです。

 

「実家の両親と兄から年末に現金書留で事前にお年玉が送られてきて、年が明けてから子どもたちに渡しました。スマホのビデオ通話で、新年のあいさつとお礼をしましたよ」(Hさん・43歳・中1と小4のママ)

 

「電話していて、今年は帰れないからお年玉を渡せないねえという話になったので、私がお年玉を用意しておばあちゃんからだよと渡し、後日、母から振込まれました。味気ないけど、今年は仕方ないですね」(Hさん・36歳・2年生と5歳児のパパ)

 

「今年のお正月は実家に集まれないのでお年玉もないと思っていたら、妹夫婦がインターネットのショッピングサイトのギフトカードを送信してくれました。本もゲームも日用品も買えるので、子供と一緒に楽しく選ばせてもらいました」(Mさん・32歳・5歳児のママ)

 

と、”キャッシュレス”のお年玉をもらった人も。

会えずにもらえなかった、あげられなかった人も

そして「会えなかったため、もらえなかった(渡せなかった)」という人は、全体の40.5%に上りました。

 

祖父母や叔父・叔母あたりまでは、上記のように書留で送ったり「次に会ったときに…」と約束したりすることが多いようですが、

 

「高校時代の友人の家で、毎年、帰省してきた部活のメンバーが集まっていましたが、今年は中止に。子供を連れてきている友人には1000円程度のお年玉を人数分用意して渡していましたが、今年はその分はなくなりましたね」(Kさん・38歳・4歳の双子のパパ)

 

と、友人や遠い親戚に対しては、今年のお年玉は省略したという人も多かったようです。

収入ダウンで…苦しい胸のうちも

いっぽう、昨年中に新型コロナウイルスの影響で勤務先の業績が悪化し、残業がなくなる・ボーナスが減額になるなど、生活が苦しくなった人も少なくありません。

 

「私たち夫婦は結婚してから子供ができるまで10年くらいあったので、双方の兄弟の7人の甥っ子姪っ子たちにお年玉を渡し続けてきました。上の子たちはもう中高生なので、それぞれ1万円渡していて、毎年7~8万円の出費です」

 

と話すTさん(37歳・0歳児のママ)。

 

「2020年は私が出産して退職。夫の勤め先はスポーツジムなので、自粛期間や利用者数の制限などで年収が大幅にダウンしてしまいました。貯金を崩してまでお年玉をあげるのはちょっと苦しく…」

 

今年は帰省しないことにしたので、お年玉はなしということになるといいなと願っているそうですが、話を聞いた1月4日現在では

 

「もしこの後、向こうがお年玉を送ってきてくれたら、こちらも送らないといけないので…祈るような気持ちです」 と、苦しい胸のうちを語ってくれました。

 

2019年に行われたアンケート調査では、小学生へのお年玉は5千円以下が最多でしたが、中学生には5千円~1万円、高校生では半数近くが1万円という結果に。

 

しかも、2019年の時点で、4世帯に1世帯は家計が苦しくなっているにも関わらず、お年玉の金額は減らせないという人が95%以上だったとのこと。

 

2021年にはさらにこの傾向が強まるのではないかと懸念されます。

おわりに

今回は少人数のアンケートでしたが、昨年までとはかなり事情が変わっていることが読み取れるものでした。

 

金額だけではなく、渡し方もキャッシュレスや電子マネーになったり、もらったお年玉は通帳を作って預金するのではなく投資信託を選んだり…。

 

この1年、さまざまなことが変化を余儀なくされましたが、「お年玉」のあり方もまた、今後見直されていくのかもしれません。

 

文/高谷みえこ
調査概要/調査期間:2021年1月3日~1月5日、調査方法:インターネットアンケート、調査対象:本人または親戚友人に子供がいる男女、回答者数:40名、調査地域:全国
参考/住信SBIネット銀行「お年玉に関する意識調査 ~2020~」 https://www.netbk.co.jp/contents/resources/pdf/enq_191220.pdf