スラリとした脚やお尻、ゆがみのない体。理想のボディが歩くだけで手に入る!?そんな夢のような方法を教えてくれるのが、著書「やせウォーク4週間プログラム」が話題となっている運動指導者の森拓郎さん。今回は、いよいよ「やせウォーク」のやり方を紹介していきます。おさえるべき3つのポイントとは?
正しく歩くことがやせる近道だった!
前回の記事「歩くほど太る!?やせたいなら歩き方を見直そう」では、「悪い歩き方」について説明しましたが、今回はいよいよ「正しい歩き方」を紹介していきます。
「悪い歩きグセを正して、理想的な歩き方ができるようになると、脚がスラリとするのはもちろん、おなかや腕など全身がバランスの取れた体に変わっていきます。つまり、普段の歩き方を変えるだけで、ジムなどで特別な運動を行わなくても美しいボディラインが手に入れられる(=やせる)ということです。これが私の考えた『やせウォーク』です」
いわゆる“モデルウォーク”のようなものを想像しがちですが、実はこれも間違い。
「腰をひねりながら1本線の上を歩くようなモデルウォークは、美しく見せる振り付けのようなもので、目的が違います。『やせウォーク』のポイントとなるのは、おもに“骨盤の動き”、“重心移動”、“脚の向き”の3つです」
ではそのポイントを順に紹介していきます。
やせウォークの極意①:骨盤から前に出す
「歩くという動作は、脚を前に出して進んでいると思われがちですが、本来は後ろの足が地面を押す力で進んでいます。脚を出そうと意識するのではなく、骨盤から前に出すようなイメージで進むと、太ももに負担をかけることなくスムーズに進めます。脚は自然と骨盤の動きについてきます」
その際、上半身は背筋を曲げないのがポイント。猫背や反り腰で骨盤が傾かないようにも注意します。
「骨盤が傾くと、腹筋や背筋のバランスが崩れて、腰痛やお腹が出る原因になります。やせウォークでは、骨盤の位置が正しいかを意識して歩くのがコツ。正しい骨盤の位置は、以下のようにすると確認しやすくなります」
①ひざ立ちの状態で、腰の左右の骨盤が出た部分に手首を置き、おなかに手を当てて三角をつくる。
②手のひらの角度をチェック。手のひらが床と垂直になっているのが、骨盤が正しい位置にある状態。
やせウォークの極意②:重心移動の最後は親指に
「体をまっすぐ安定させて歩くには、地面につく足裏の重心移動が大切。かかとのやや外側〜外側のアーチ〜横のアーチ〜親指の順に、重心を移動させていきます」
①かかとの中央からやや外側で着地する。
②かかとから小指の付け根に向かう、外側アーチに沿って重心を移動する。
③小指の付け根から親指の付け根に向かう、横のアーチに重心を移動する。
④親指の付け根から親指先に向かって、しっかり地面を押し出すように重心を抜く。
「重心移動がうまくできると、お尻の筋肉で体が支えられるので、骨盤が安定して太ももへの負担も減ります。ヒップアップの効果も期待できます」
やせウォークの極意③:つま先・ひざは正面へ向ける
「片脚立ちになった際に、つま先とひざが内側や外側に向いているのは、内股歩きやガニ股になっている証拠。脚の関節がねじれて、太ももが前や外に張ってしまいます」
関節のねじれは、いわゆる「O脚」「X脚」「XO脚」になっている状態。脚をそろえてまっすぐ立ち、鏡でチェックしてみましょう。
ひざの間がくっつかない→「O脚」
「O脚は、先天的な骨の変形の場合もありますが、股関節・ひざ・足首の関節がねじれているのが原因。股関節が内側にねじれ、歩くほどお尻・太もも・ふくらはぎが外側に広がります」
ひざがぶつかって足元がくっつかない→「X脚」
「X脚は股関節が内側に、ひざ下は外側にねじれているため、歩くほど前ももの張りが強く出やすいです。先天的な骨の変形が原因の場合が多く、改善は難しいですが、ストレッチや筋トレで改善していきましょう」
ひざと足元はつくが、すねとくるぶしがつかない→「XO脚」
「股関節・ひざ・足首のねじれが原因です。日本人に一番多いタイプで、歩くほどひざ下が外側に張り出し、脚が太くなってしまいます」
つまり、「つま先とひざは正面に向いているのが正しい状態」と森さん。
「ストレッチや筋トレで関節のねじれを取ることで、正しい歩き方になり、脚のラインもすっきりしてきます」
1日の歩数は、7000歩を目標にしましょう。「歩く時間がとれない時は、自宅で踏み台昇降をしてもOK」と森さんはアドバイス。また、慣れてきたら早歩きをするのもおすすめです。
「スピードが上がるだけエネルギーを消費しやすくなります。ただし、早歩きをすると大股で体のひねりが大きくなりがちに。小さな歩幅でスタスタと歩くように心がけてください」
ぜひ普段の生活に「やせウォーク」を取り入れてみてください!
PROFILE 森拓郎さん
取材・構成/大浦綾子 イラスト/いしかわひろこ