フルタイムで働けない負い目、苛立ち…

結婚後は、家事も家計も分担し、それなりにうまくやってきましたが、子どもができたことで、サホリさんの苦悩が再び始まりました。

 

「子どもは2人ほしかったので、産休が続くならと計画的に年子で産んだんです。この考えが甘かった(笑)。時短、フレックス、フルタイム…会社の制度をそのときどきでほぼ使い果たし、育休はほとんど頼らず、子育てと仕事に明け暮れましたね。夫の母が近くに住んでいるので、一時期はほぼ毎日来てもらって。義母とは関係が良好なので、夫が『そんなに大変なら、もっと育休をとればいいじゃない?』と言ったとき、義母が『仕事をしたい女性もいれば、仕事をさぼりたい男もいるんじゃないの?』と切り返してくれたんです」

 

義母は味方になってくれるものの、時短で仕事をしていたときは給料も下がり、サホリさんの心の中には、なぜか「卑屈な感情」が芽生えたといいます。

 

「収入の多寡より、フルタイムで働いているかどうかが重要だったんですね、私としては。だから時短のときは夫に対して強くものが言えなかった。夫が積極的に家事をやると、『自分は万能だということを私に見せつけたいのかしら』と悪いように考えたりして…」