極端な偏食…「大きくなれないのでは」と悩んだ日々

低体重で生まれた息子さんを抱く当時の加藤さん

── 息子さんの感覚過敏で、最も苦労したのは?

 

加藤さん:

味覚、嗅覚の過敏さからくる、極端な偏食です。離乳食は苦労しませんでしたが、普通食になってからが大変でした。

 

ハンバーグやカレー、唐揚げなど、子どもが好きそうなもの以外は、ほとんど食べられない。当時は、好き嫌いの多い子だと感じていました。幼稚園でも小学校でも給食がほぼ食べられず、面談や家庭訪問の話題はいつも給食の話でしたね。

 

息子は食べ物の匂いが混じるのも苦手なので、給食の時間は二重に苦痛だったようです。給食当番のときは、給食衣のゴワゴワした感触やほかの家庭の洗剤の香りもつらかったと話していました。

 

── 毎日の食事に悩むのはつらいですね。

 

加藤さん:

息子は1600グラムで生まれ、かつ早生まれだったので、乳幼児期は同学年の子と比べて常に一回り以上小さかったんです。そのせいで、きちんと食べないと大きくならないのではという不安がありました。

 

息子に泣きながら「食べて」と懇願したことも、その目の前で「もう食べなくていい!」と作ったものをゴミ箱に捨てたこともあります。毎晩、戦場のようでした。息子にもつらい思いをさせました。

 

息子の祖父母は、食べ物を粗末にしてはいけないと考える世代です。お正月などの集まりでは、親戚のよく食べる子を褒めたりもするので、彼は嫌だったでしょうし、私もどこかで後ろめたさがありました。