11月に行われたアメリカ大統領選挙の結果を株式市場が好意的にとらえたことや、新型コロナウイルスワクチンへの期待感など、さまざまな影響を受け、アメリカの株価が上がりました。それにともない、日本の株価も上昇。

 

「投資を始めるなら今がチャンス」という声も聞かれますが、実際どうなのでしょうか? ベストセラー『はじめての人のための3000円投資生活』の著者である、家計再生コンサルタントの横山光昭さんに、投資ビギナー向けのアドバイスをいただきました。

一番よくないのは“あせって”買うこと

ここのところ、日本の株価は絶好調。株式市場全体の動きを示す日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)は、ぐんぐん値上がりしています。

 

このような状況から、識者が投資を勧める声も少なからず聞こえます。それを聞いて、投資ビギナーの人も「投資に挑戦してみようか」と考えているかもしれません。

 

しかし、「乗り遅れないように」とあせって買う前に、確認してほしいことがあります。貯金はどれぐらいありますか?

 

投資は、本来、十分な貯金をした上で、余ったお金で行うこと。失業や病気などで収入が途絶えたり、子どもが進学したり、とお金が必要な時に貯金がないと、たとえ相場が下がっていても金融商品を売却する必要が出てきます。その結果、増やすために始めたのに、損をしてしまうのです。

 

家計と投資は我が家を支える両輪であり、両方を回すことが大切ですが、世間の投資ブームに安易に乗っかると、すぐにその歯車が狂ってしまいます。家計の基盤をしっかり整えてから投資をしましょう。

 

いざというときのために貯めておきたい貯金額の最低限の目安は、生活費の7.5カ月~12カ月分。その上で、余ったお金を投資に回せば、少々損をしても追い込まれずに済みます。

 

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