「献立」と「食べる順」で糖質過剰を抑制

さらに「献立」の考え方を変えることで、根本的な糖質過剰の改善につなげたいと姫野先生はいいます。

 

「食事の中心をごはんやパン、麺類などの炭水化物ではなく、肉・魚といったこれまで『メインのおかず』と考えていたものを中心にします。ご飯やパンはメインのおかずに添えるもの、という意識に切り替えましょう」

 

そして、サラダや煮物など、食物繊維を多く含む食品から食べはじめ、次に肉・魚といったタンパク質、ご飯やパンは最後に食べましょう。それだけで血糖値が急上昇・急降下する「血糖値スパイク」を防ぎ、血糖値を安定させ、心を安定させることにもつながります。

お酒を飲むなら亜鉛を忘れずに!

ときどき「ご飯は食べない」といいつつ、お酒を飲んでいる人がいますが、アルコールは糖質が多く糖質過剰に陥りやすいので要注意です。お酒のなかでも醸造酒である日本酒、ビール、さらに甘口のワインなどは糖質が多く、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒のほうがおすすめ。

 

お酒の分解にはビタミンB群に加えて亜鉛が大量に消費されるので、ビタミンB群と亜鉛をしっかり摂取しましょう。

亜鉛は美髪・美肌にも!

亜鉛をしっかり摂取すると、美髪・美肌も期待できます。亜鉛は200種類以上の酵素活性の中心として働く栄養素です。乾燥肌、サメ肌、ニキビ、傷の治りが遅いなどの肌の状態を改善したり、30歳を過ぎると増える女性の抜け毛や薄毛を防ぐ効果もあります。

 

PROFILE 姫野友美さん

姫野友美さん
⼼療内科医。医学博⼠。⽇本薬科⼤学薬学部教授。静岡県⽣まれ。東京医科⻭科⼤学卒業。現在、ひめのともみクリニック院⻑として、オーソモレキュラー栄養医学に基づいた栄養療法や点滴療法、バイオロジカル療法を組み合わせた独自のメディカルプログラムで個々人に合わせたオーダーメイドの治療を行っている。そのかたわら、ストレスによる病気・症候群などに関するコメンテーターとして、テレビ東京系列『主治医が⾒つかる診療所』等のテレビ番組や新聞・雑誌等で活躍。著書には『⼼療内科に⾏く前に⾷事を変えなさい』(⻘春出版社)、『美しくなりたければ⾷べなさい』(三笠書房)、『⼼療内科医が教える疲れとストレスからの回復ごはん』(⼤和書房)など多数。9/8に新刊「認知症になりたくなければラーメンをやめなさい」を発売。ひめのともみクリニック:http://www.himeno-clinic.com/ 東京都品川区大崎4-1-2 ウィン第2五反田ビル 4階 受付時間:10:00〜18:00(金・日・祝休み)

 

文/長根典子 イラスト/おおたきょうこ