記憶力の低下を感じたらビタミンB不足?
「記憶力が低下した、寝ても疲れがとれない、悪夢を見る、今まで好きだったことにも関心がもてないなど、毎日、何だかシャキッとしないと感じたら、それはビタミンB群不足かもしれません」と姫野先生。
ビタミンB群は、タンパク質を脳内ホルモンに変えたり、糖質をエネルギーに変換する際に触媒として働く栄養素。そのため、ビタミンB群が不足すると体がエネルギー切れを起こして疲れやすくなるほか、光やにおいに過敏になったり、やる気が起きず、うつ病に進行することもあります。
ビタミンBは現在13種類あることがわかっていますが、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類をまとめて「ビタミンB群」と呼びます。
「ビタミンB群は単体で摂取しても効果を発揮できないので、セットで摂取するのがポイント。サプリメントは『ビタミンB群』と表記されているものを選んでください」
単体で売っている「葉酸」の使い方
ところで、ビタミンB群の一つである葉酸は、胎児の正常な発育に必須の栄養素です。妊娠中にはたくさんの葉酸が必要ながら、一般的な日本女性は妊婦に必要な摂取量の半分も摂取できていないといわれており、厚生労働省は2000年の通達で、葉酸のサプリメントでの補給を推奨しました。
「それ以降、葉酸単体のサプリメントも多数扱われるようになりました。葉酸は血液や細胞の生成に欠かせない栄養素であり、胎児だけではなく、すべての人に役立つので摂取してもよいでしょう。ただその場合も他のビタミンB群と一緒に摂取するのがコツなのは同じです。」
ストレスが続いたらビタミンC
ストレスに弱くなり、肌荒れやシミが増えたり、風邪にかかりやすいなどの体調不調が続いているときは、ビタミンC不足を疑いましょう。
「ビタミンCは皮膚や粘膜に効く栄養素であり、美容効果のある栄養素として知られています。でも、それだけではなく自律神経調整作用があり、ストレスを軽減しうつ症状を防ぐのにも必須です。ストレスが続くと大量に消費されてしまうため、意識的に摂取してくださいね」
ビタミンをとるコツは1日数回にわけること!
ビタミンB群もビタミンCもそうですが、ビタミン類を上手に摂取するコツがあります。それは1日に数回に分けて飲むことです。
「ビタミン類は一度に吸収できる量が決まっている栄養素です。大量に摂取しても吸収できなかった分は体外へ排出されます。そのため1日の必要量を一度に飲むのではなく、2回、3回と分けて補充し続けるほうが利用効率がよくなります」
分けて飲むのが難しい場合は、「タイムリリース型」と呼ばれるサプリメントもあります。有効成分が一度に吸収されず、体内でゆっくり溶け出して時間をかけて吸収されるサプリメント。ビタミンB群・Cの摂取には適したタイプだといえます。