サプリで健康維持-1

うつ症状をはじめとする不安やイライラ、やる気の低下などの心の不調は、「栄養不足」によって引き起こされることもあります。ひめのともみクリニック院長の姫野友美先生に、在宅勤務や外出自粛でストレスが増大している今こそ知っておきたい、栄養で心の健康を支える方法、特にサプリメントの使い方について聞きました。

気分が落ち込むのは、やる気がないから?

「私たちの心の状態は、想像以上に、私たちが食べている物に影響を受けています」と話す姫野先生は、食と人の精神の関係に注目する精神栄養学の考え方を取り入れながら、女性の心の問題に長年取り組んできました。

 

「心の問題というと一般には精神論でとらえがちですが、気分の落ち込みや無気力などのうつ症状は、脳内ホルモンであるセロトニンやドーパミンの不足と無関係ではありません」

 

喜怒哀楽などの感情は、私たちの脳が作り出しています。脳の中には神経細胞があり、脳内ホルモンを介して情報のキャッチボールをしていますが、この脳内ホルモンが不足すると感情のコントロールがうまくできなくなり、心の不調を引き起こすといわれています。

4つの栄養素不足が心に影響を与える

脳内ホルモンのなかでも、心の健康と深く関わっているのがセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンです。これらの脳内ホルモンの材料となるのは、主にタンパク質、ビタミンB群、ビタミンC、鉄などの栄養素。そのため、これらの栄養素が不足すると、脳内ホルモンが十分に作られず、抑うつ症状や不安症状が現れたりします。

 

しかもこれらの栄養素は相互に関連しあって働くため、どれかひとつでも不足すると、脳内ホルモンの合成や働きが阻害されてしまいます。

 

「ですからうつ気分が続くときは、精神論や自分の意識のせいにせず栄養不足を疑ってほしいんです」と姫野先生はいいます。