保育園に通うお子さんとその家族の平日の朝は早いですよね。

 

起こして着替えさせ、持ち物を用意して朝ごはんも食べさせて…あいまにママやパパ自身の支度と家事もある程度済ませて出勤するには、料理に長い時間をかけるのは難しく、また、子どもがスムーズに食べてくれないと余計に時間がかかってしまいます。

 

そうなると、これなら失敗なく作れる、子どもも嫌がらず食べてくれる…という鉄板メニューが頻繁に登場するのは当然の流れ。

 

「いっそもう固定メニューでよくない?」 「え?うち前から固定だよ」

 

そんな会話が、ママ友どうしやSNSでもよく聞かれます。

 

今回は、毎朝固定メニューでうまくいっているママや、やむを得ずそうしているものの内心これでいいのかと迷っているママなどの声を紹介します。

 

「これまでもこれからも固定メニュー」の理由

「うちは離乳食が終わった時から、平日は完全に固定メニューですね」

 

と話すKさん(38歳)は、現在、小学校2年生・5歳・3歳と、3人の男の子のママ。

 

メニューは、「目玉焼き、ウインナー、プチトマト、ロールパン」だそう。おいしそうですね。

 

「もし、子どもが飽きたとか他のものがいいって言えばもちろん変えると思いますけど、3人とも飽きずに食べてくれるので。というより、うっかりプチトマトが足りないと怒るくらいです」

 

Kさん宅のように、バランスの取れた内容で、お子さんたちが喜んで食べてくれるなら、むしろ固定で何も問題ないと思われます。

 

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「とりあえず固定」派のモヤモヤ

いっぽう、Hさん(34歳)は、現在4歳のお子さんが保育園に通いはじめた1歳の頃から、朝ごはんに色々なものを用意しても、結局おにぎりしか食べない…という日々が半年以上続いたため、ある時から、思い切っておにぎりだけにしたそうです。

 

「保育園でも相談したんですけど、給食は少し残すことはあっても、まったくおかずに手をつけないわけではないそうなんです。夜も、食べられない食材はちらほらありますが、ほぼ出した物は食べてくれています。じゃあ、もう朝はあきらめようかと」

 

ただ、ダイコンの葉をみじん切りにしてカツオ節と佃煮にしたものや、チーズとツナなど、具は工夫して、少しでも栄養バランスをよくしようとしているそうです。

 

「それでも、あまり変わった具は嫌がりますね。シンプルな梅か塩むすびが一番好きだといいます」

 

Hさんの悩みは、夫の実家に帰省したときや、何でもよく食べるタイプのママ友と朝ごはんの話になったときに、「ちゃんと食べさせなきゃダメ」と言われること。

 

「私も、お味噌汁と焼き魚、卵焼きにおひたしなんて食卓に憧れますけど、本人の前でこの子が食べないからと言うのもどうかと思いますし、やり過ごすしかないのかなと思っています」

 

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「毎日違うメニューだけど…」本音は?

Yさん(34歳・6歳児と2歳児のママ)は、

 

「毎日けっこうバラバラですよ!固定にしたらラクだろうな」

 

といいます。

 

「まず前日の残りを使い切りたいので、前日が洋風なら残ったスープとパンにオムレツを作る感じになりますし、和食なら、残った里芋の煮っ転がしに、卵焼き、お漬物…という感じで、主食から毎日バラバラです」

 

そして、

 

「ウインナーなんて、特売でないとけっこう高いですよね?固定メニューにしたら高くても必ず買わなきゃいけないと思うと、なかなか踏み切れないですね」

 

と、日々のやりくりや食卓事情を話してくれました。

 

Fさん(32歳・3歳児と0歳児のママ)は、産院の両親教室や検診などで離乳食や幼児食について話を聞いたそう。

 

「幼児期にできた味覚は一生続きます、たとえ途中でジャンクフードを好むようになっても、いずれ子どもの頃の味覚に戻るので、ぜひ薄味で素材そのものを味わえるような献立で幅広い食材に触れさせてあげて下さい…と言われたので、がんばって毎朝メニューを変えていたものの、かなり負担だったんです」

 

「そしたらあるとき、保育園で知り合ったママ友から、ウチは毎日、ヨーグルトとバナナとパンだよ!忙しいのに無理!と聞き、そういうのもアリなんだと目からウロコだったんです」

 

幸い、当時2歳になったばかりのお子さんもバナナやヨーグルトは好きだったため、2~3日続けて出してみたそうです。

 

「そしたら3日目に、バナナもうイヤって言われてしまい。言い聞かせようとしましたが、バナナばっかりイヤ!と…。それを見ていた夫が、以前に両親教室で聞いた話を覚えていたらしく、味覚は3歳までに決まるんでしょ?毎日一緒で大丈夫?と聞いてきて。固定化失敗でした」

 

という体験談を聞かせてくれました。

 

当事者であるお子さんが拒否する場合は、なかなか固定化は難しいのかもしれませんね。

 

おわりに

今回の体験談にも登場した「味覚は3歳までに決まる」という話はよく耳にしますが、舌で味を感じる器官の「味蕾」は、8歳頃から急激に数が増え、12歳頃にピークを迎えるそうです。

 

幼児期に素材のおいしさを味わえる薄味の手作り料理に親しみ、バラエティ豊かな食生活を送れるに超したことはありませんが、それを重視するあまり、食べない子どもを叱ったり、親が疲れてしまったりしては本末転倒です。

 

保育園の給食を食べられているなら、毎日おにぎりだけ、果物だけ、シリアルだけでも、きげんよく食べてくれるのが一番ではないでしょうか。

 

ママやパパはもちろん周りも長い目で見ていきたいですね。

 

文/高谷みえこ

参考/子どもの味覚は何歳ぐらいまでに決まりますか? | 子育てに役立つ情報満載【すくコム】 | NHKエデュケーショナル https://www.sukusuku.com/contents/qa/258012