イライラしている人や怒っている人が近くにいると、すぐ動揺してしまう。騒音やまぶしい光が苦手。他人に深く共感しすぎてしまう。なぜだか軽く見られてマウントを取られてしまう…。

 

もしもそんな悩みを抱えているのなら、それはあなたが「敏感すぎる」HSP気質の持ち主だからかもしれません。

 

HSPは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン:非常に繊細な人)の略で、心理学者のエレイン・N・アーロン先生によって1996年に提唱された概念です。

 

HSPの自覚がある、もしくは「私はHSPかもしれない」と感じているママが、自分のよいところを肯定しながら、周囲の人々と向き合えっていくための心持ちを専門家に伺います。

マウントを取られるとますます自信喪失に…

HSPママ友マウント

「1歳のわりには体ちっちゃいよね、離乳食進んでる?」や「男の子って乱暴だから絶対私には無理。うちは女の子でよかった~」などのセリフ、子育て経験者ならどこかで一度くらいは聞いたことがあるかもしれません。

 

こうしたセリフ、相手に悪気はないとわかっていても、初めての子育てだと、不安になってしまいますよね。特にHSP気質の人は繊細なので、「発育が遅いのは私の育て方が悪いせいかも」「やっぱり女の子の育児のほうがラクなのかな」と悩んでしまいがちです。

 

最終的には「私みたいなネガティブ思考のママに育てられて、息子がかわいそう」と思ってしまったり…。

 

HSP気質の人が「ママ友のマウントを回避」するには、どうすればいいのでしょうか。十勝むつみのクリニック院長・長沼睦雄さんに聞きました。

HSP気質の人はマウントを取られやすい

実は、HSP気質を持つ人、とりわけ女性の多くが、「マウンティングされやすい」といった悩みを抱えています。共感性が高く相手を傷つけることは避けようとする、素直、優しい、純粋、真面目、正義感が強い…など、多くのHSPに見られるこれらの特徴は、人付き合いにおいては美点であると同時に、弱点にもなってしまうのです。

 

つまり、「他人より優位に立って安心を得たい」とひそかに考えている人から見れば、HSP気質を持つ人は絶好のターゲットになってしまうということ。学校や職場などのコミュニティでも、同様のパターンはあちこちで見受けられます。

 

「ママ友の発言に落ち込んでしまうのをやめたい」と感じているなら、まずはマウンティングを回避することから始めましょう。相手に悪意があるかないかを見極めるまでもなく、自分にとって「嫌だな」と感じる発言をしてくる人とは、なるべく距離を置いてみるとよいでしょう。子ども同士が仲良しであるからといって、ママ同士も仲良しになる必要はありません。

 

そのためには、「依存先を増やす」ことも必要です。これはママ友付き合いに限らない話ですが、特定の相手だけに依存すると「この人に嫌われたら居場所がなくなってしまう」という不安が生じてしまいます。

 

それを避けるためには、交友関係を広げて複数のグループやコミュニティに居場所をつくることを心がけていきましょう。「人見知りだからそういうことが苦手…」という人は、SNSでママ友作りをするのも手です。ひとつの対象だけにしがみつくのではなく、いろんな方向へと手を伸ばしていくと、今抱えている心の悩みは少しは軽くなるはずです。

 

ただし、これらはあくまでも小手先のテクニック。ネガティブ思考から抜け出す根本的な解決にはなりません。

 

>> NEXT 負のループから脱する「根本的な解決策」とは