「自己主張する」覚悟を持とう
HSP気質の人が最も苦手なことのひとつ、それは「自己主張」です。他者の感情に寄り添うこと、共感するのは得意でも、自分の意思をはっきりと外へ出していくのは苦手とする人がほとんどのはず。
その背景には、他者に否定されるのが怖い、自分に自信がない、誰かを傷つけないか不安…などのさまざまな理由が絡まり合っていると考えられますが、本気で自分を変えていきたいのなら、「自己主張する」覚悟を決めましょう。
自分だって自己主張していいんだ、と覚悟を決めること。HSP気質の人にとっては、これが何よりも重要な対人関係の基本です。
「自己主張していく」という覚悟の土台が固まらない限りは、コミュニティをいくら変えても、いずれは同じ悩みに直面してしまうでしょう。
「嫌われてもいい」を出発点に
もちろん、最初から大変身はできません。ただ、気持ちのスタート地点を自分なりに設定し直すことはできます。
まずは、「こんなこと言ったら嫌われるかも。嫌われたくない」から、「嫌われてもまあいいや」と出発点を変えてみてください。100が50に下がるのを恐れるのではなく、もともと0なんだから50になったらそれだけでも十分、というスタンスで接してみる。相手に過剰に期待しすぎない、細かい違いは追求しない、「わかってもらえたらラッキー」くらいの気持ちで付き合っていく。
意識的にそういった行動・考え方を積み重ねていけば、自分を追い詰める思考のクセからも、徐々に抜け出していけるはずです。
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子どもの月齢が近いママ友同士は、どうしても相手と自分、わが子と相手の子を比べてしまう、というママはHSPに限らず多いかもしれません。複数のコミュニティを行き来すること、自己主張する覚悟を持つこと。この2つを心がけていけば、ママ友間の悩みはグッと軽くなりそうです。
次回は「子育てがうまくいかない」というHSPママの悩みについて。自分とわが子はもちろん、自分と親との関係性に悩んでいるママも必読です。
十勝むつみのクリニック院長。北海道大学医学部卒業。脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医に。小児精神科医として道立札幌療育センターに13年間勤務。道立緑ヶ丘病院精神科勤務を経て、2016年にHSP診療に専念したクリニックを開業。日本では数少ないHSP臨床医。
文/阿部 花恵 イラスト/福田玲子