仕事や家事、育児の合間にぴったりな時短ストレッチ。なかでも、理学療法士でストレッチ系YouTuberのオガトレさんが提唱する“30秒ストレッチ”は、痩せやすくなり、ケガが減り、姿勢がよくなるなど体にいいことづくしだから、生活に取り入れない手はありません。今回は、デスクワーカーの悩みの種ともいえる、肩こりを解消する肩甲骨のストレッチをご紹介します。
肩甲骨をほぐすと小顔にも見える!?
デスクワークや家事といった前傾姿勢が続くと、肩甲骨まわりがガチガチに…。肩甲骨をほぐしてやわらかくすることで、肩こりや腰痛といった体の痛みが改善されるとオガトレさんは言います。
「デスクワークや家事などで長時間前傾の体勢を続けていると、肩甲骨からつながる肩や首まわりが凝り固まり、猫背や巻き肩など悪い姿勢の原因にもなります。そこで肩甲骨をストレッチすると、血行が良くなって老廃物も流せるので、肩こりがすっきり解消されます。前傾姿勢によって縮こまった肩甲骨をしっかりと伸ばすことで、悪い姿勢も改善されます。こうして正しい姿勢を身に着けることで、今まで負担をかけていた肩や首、腰といったほかの部位の痛みもなくなっていくはずです」
さらに女性にとって嬉しい効果が期待できるとも。
「肩甲骨が凝り固まっていると、肩が上がって首は縮こまっちゃうんです。肩甲骨まわりの筋肉をほぐして肩が本来の位置まで下げると、首がすらっと長く見えるので、小顔効果も期待できると思いますよ」
体の硬さ別!肩甲骨ストレッチ
前々回の記事「たった30秒でOK!人気ストレッチ系YouTuberの疲れない体の作り方」で、ひじ合わせで肩甲骨の硬さチェックをしたら、該当する硬さ別のストレッチを行いましょう。
「超硬い人」向けのストレッチ
肩甲骨から首にかけて付着する筋肉は、PC作業やスマホの閲覧などによって、すぐに凝り固まってしまう部位。ひじ合わせでひじがアゴより上がる人は、肩の力を抜いてその筋肉をしっかりと伸ばすことができれば、肩甲骨に柔軟性を取り戻せるはず。
<方法>
(1)右手の甲を腰に当てる。
(2)左手は右耳の上に行き、そのまま真横に引っ張ってく。痛気持ちいいところで30秒キープし、これを3セット行う。反対側も同様にストレッチを。
「超超硬い人」向けのストレッチ
ひじ合わせでひじはつくけど、アゴまで上がらない超超硬い人は、肩甲骨から頭の付け根に向けて伸びる小さな筋肉をストレッチしましょう。
<方法>
(1)座った状態で、右手をひざの上に置き、左手を後頭部の少し右寄りの場所に当てる。
(2)頭を左斜め前に引っ張っていく。目線は左ひざに向け、痛気持ちいいところで30秒キープ。3セット行ったら、反対側も同様に。
「超超超硬い人」向けのストレッチ
ひじ合わせでひじさえつかない人は、肩甲骨まわりの大きな筋肉をストレッチ。背中一面に広がる広背筋をしっかりと伸ばし、まずは姿勢の改善から着手しましょう。
<方法>
(1)肩の真下に手のひら、お尻の真下にひざが来るように、四つん這いの姿勢になる。 (2)左ひじを床につけたら、右手は左手の延長線上に伸ばす。痛気持ちいいところでストップし、30秒キープ。3セット行ったら、反対側も同様に。
ほかの肩甲骨まわりのストレッチを合わせることで、より効果がアップするというオガトレアさんの“30秒ストレッチ”。 まずは2週間、自分のレベルにあったストレッチを実践し、体の変化を感じたら再び肩甲骨の硬さチェックにトライ。そこで体のやわらかさのレベルが上がっていたら、ストレッチのレベルも1段階上に切り替えましょう。1回30秒といえども、体がやわらかくなっていく楽しさを体感できるはずです。
PROFILE オガトレさん
宮城県気仙沼市出身。理学療法士として、病院勤務やトレーナー活動を経て、ストレッチ系YouTuberに転身。「体が硬くて困っている人をゼロにしたい」をモットーに動画を配信し、チャンネル登録者数61.9万人(2020年10月現在)を誇る。2020年7月に『オガトレの 超・超・超かたい体が柔らかくなる30秒ストレッチ』(ダイヤモンド社刊)を刊行。
文/船橋麻貴 撮影/富本真之 イラスト/いしかわひろこ