健康的な女性

仕事や家事、育児に追われ、自分の体のケアは後回しな人も多いのでは?そんな人にぴったりなのが、著書『オガトレの超・超・超かたい体が柔らかくなる30秒ストレッチ』が話題沸騰中の理学療法士でストレッチ系YouTuberのオガトレさんが推奨する“30秒ストレッチ。今回は、体をやわらかくすることで、ダイエット効果やケガ防止が期待できるストレッチ方法を教えてもらいました。まずは体をやわらかくする秘訣やメリットから伺います。

体が硬いのは体質ではなく、運動不足が原因?

「生まれながらに体が硬い人なんていないんですよ」と穏やかな口調で語るオガトレさん。それでは一体、体が硬い人とやわらかい人の差はどこにあるのでしょうか。

 

「体が硬いというのは、関節が動きにくくなっている状態を指します。関節を動かす筋肉が運動不足や血行不良が原因で凝り固まっていたりすると、関節としての機能が働かず、動かしにくくなって体が硬くなるわけです。ですが、普段から運動やストレッチなどでしっかりと筋肉の凝りをほぐしていれば、体をやわらかくできます。つまり、日常生活での運動習慣と運動量の差が、体の硬さ(やわらかさ)の違いとなって現れるんです」

 

運動不足だけでなく、同じ姿勢を続けるデスクワークや家事も体を硬くする悪習慣のひとつだと言います。

 

「デスクワークや洗い物、料理といった家事は、前傾姿勢を続けることが多いので猫背になりやすく、体の前面に力が入ってその筋肉が凝り固まってしまいます。だけど、凝り固まった筋肉をほぐすストレッチを習慣として行えば、どんな人でも体をやわらかくできますよ」

体が硬いと痩せにくいし、ケガも多くなりがち

オガトレさんによると、体が硬いことで生じるデメリットは大きく3つあるそう。

体が硬いことでのデメリット

①太りやすくなる

「体が硬いと関節の可動域が狭まり、体を動かすことで消費されるエネルギー量が少なくなります。そうなると、単純に運動量とカロリー消費量が減るので、痩せにくくなってしまうんです」

 

②ケガや体の痛みが増える

「動くはずの関節が動かないとなると、それをほかの部位で補おうとするので負荷がかかってしまうんです。たとえば肩甲骨が硬い場合、6、7kgほどある頭を支えるために首や腰により負荷をかけます。股関節が硬いと、歩くときにひざや腰がカバーして、ひざ関節や腰といった股関節とは別の部位に痛みが生じる場合があります」

 

③疲れやすくなる

「関節を支える筋力の柔軟性が落ちると、正しい姿勢を保つことが難しくなります。猫背や反り腰といった悪い姿勢になると、それを補おうと余計な動きをしたり、無理な負荷をかけてしまったりと体を正しく使えていない状態になるので、日常生活の中でも疲れを感じやすくなります」

体をやわらかくする秘訣は3つの関節にあり?

こうしたデメリットを抱えたままでは普段の生活がつらくなるだけです。3つの関節をケアすることで体をやわらかくしましょう、とオガトレさんは言います。

 

「股関節、肩甲骨、足関節がとくに重要です。肩甲骨は正式には肩甲胸郭関節という、肩甲骨と肋骨によって構成される関節の一部のことを言いますが、この3つの関節は、体の中でもとてもよく動く関節で、筋肉がたくさんついています。ひとつの筋肉が硬くなると、周りの筋肉にまで影響を及ぼしてしまうので、関節が全体的に硬くなってしまうんです。だけど、この3つの周りの筋肉は本来なら自由度が高く、よく動くもの。ストレッチでやわらかくなれば、体の不調や痛みは改善され、痩せやすい体にもなりますよ」

 

オガトレさんのストレッチは1回30秒が基本ルール。通常、ストレッチに適切な時間が15〜20秒と言われている中、30秒に設定するのには理由があるそうです。

 

「ストレッチの効果を得るためには、痛気持ちいいと感じるくらいの筋肉の伸びを捉えられる状態を15〜20秒キープすることが大前提。だけど実際のストレッチでは、始めの10〜15秒間に動きを調整しながら適切なポジションを探る場合が多いので、本来の効果が得られていないことも…。だから僕は、それをふまえて30秒をおすすめしています」

 

さらにストレッチは毎日、お風呂上がりに行うのがいいようです。

 

「体が温まっているときは筋肉がやわらかくなっている状態なので、お風呂上がりはストレッチを行うベストタイミング。水分をたっぷりとってからストレッチすると、筋肉がやわらかくなりやすいので、なおいいですよ。ストレッチは毎日行ってください。体は普段使っている状態に戻る性質があるので、サボるとせっかくやわらかくなっても、硬い状態に戻ってしまう可能性があります。始めて2週間もすれば、必ず目に見えて変化を実感できます!」