共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

 

今回は女性の働き方を見つめてきた白河桃子さんに、大きな変化があった2020年の働き方についての振り返り、そして21年以降の働き方のヒントとなる新しい動きについて話を伺いました。

 

PROFILE 白河桃子さん

ジャーナリスト。、相模女子大学大学院特任教授、昭和女子大学客員教授。住友商事、リーマンブラザースなどを経て執筆活動に入る。働き方改革、ダイバーシティ、女性活躍、ワークライフ・バランス、自律的キャリア形成、SDGsとダイバーシティ経営、ジェンダーなどをテーマとする。働き方改革実現会議、地方創生第二期総合戦略など政府の委員を多数務める。働き方改革、ジェンダー、ダイバーシティ、女性のライフキャリアに関する講演や出張授業を多数行っている。著書は『ハラスメントの境界線』(中公新書ラクレ)など多数。

 

170万人がテレワークを初体験した2020年

──2020年は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)を契機に世界中で働き方が大きく変わった年になりそうです。日本での働き方の変化について、白河さんはどう見られていますか?

 

白河さん:

日本ではコロナによって、オフィスワーカーを中心にテレワーク体験者が大幅に増えました。総務省の「令和元年版 情報通信白書」によれば、コロナ前にテレワークを導入している企業はわずか19.1%、さらに利用社員は全体の5%未満という企業が半分以上でした。制度化されていても、実際にテレワークをしているのは、育児や介護など出勤してのフルタイム勤務が難しいとされる特定の理由がある人ばかりだったのです。

 

ところが20年4月の緊急事態宣言を契機に、パーソル総合研究所の調査によれば約360万人の正社員がテレワークを実施することになりました。そのうち、現在の会社で初めてテレワークを経験した人は170万人とされています。

 

内閣府の「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によれば、テレワーク経験者は未経験者と比較して、ワークライフバランス、地方移住への関心、仕事意識が変化したとのデータがあります。またパーソル総合研究所の「第三回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」によれば、テレワーク経験者のうち約7割が「テレワークを継続したい」と回答しています。

 

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