共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

 

企業のデジタルトランスフォーメーションのコンサルティング、プログラミングに特化した国内最大のオンラインスクール「TechAcademy(テックアカデミー)」の運営など、インターネットによって、新しい価値を創り出しているユナイテッドグループ。

 

事業と同じように、社員同士の交流を促す取り組みがここにあります。それは、社内でのライブ配信。同僚はもちろん、社長や役員とも気軽に意見交換することもできるのが特徴です。導入したきっかけや効果などを広報の江川さんに伺いました。

社長・役員とカジュアルに意見交換ができるライブ配信「マンデー放談」

制度名称:社長・役員によるライブ配信「マンデー放談」、広報によるライブ配信「みどりの部屋」 導入開始日:2020年6月から導入 対象者: ユナイテッド株式会社 全従業員

 

 

ユナイテッド株式会社 経営管理本部 広報グループ 江川みどりさん

2018年、ユナイテッド株式会社に新卒入社。広告営業を経て、現在は経営管理本部 広報グループ所属。社内報をはじめとする社内広報から、メディアリレーションまで広報業務全般を担当。

 

 

——ユナイテッドでは社内でのライブ配信をしていると聞きました。詳しく教えてください。

 

江川さん(ユナイテッド):

はい。社長・役員によるビジネスに関する対談「マンデー放談」や、社員をゲストとして迎えその人となりを知ってもらう対談「みどりの部屋」を毎週生放送で配信しています。在宅勤務でも社内交流ができるよう、ライブ配信を2020年6月より実施しています。

 

——斬新な取り組みですね!社長・役員によるライブ配信ではどんなことをお話しているのでしょうか。


江川さん(ユナイテッド):

マンデー放談では、業務・仕事に関わるテーマについて、社長と役員が対談を行います。最近は、課題図書をもとに社員と意見交換を行う配信もしています。これまでに登場した課題図書は、「両利きの経営」や「逆・タイムマシン経営論」など経営に関する本です。

 

——経営陣と直に、経営に関して意見交換ができるんですね。もう一つの「みどりの部屋」はどんな内容なのでしょうか。

 

江川さん(ユナイテッド):

「みどりの部屋」は広報によるライブ配信です。広報担当である私が聞き手となり、社員と30分間の対談ライブ配信を行います。社内ライブ配信に、社員がゲストとして出演するんです。

 

——役員からの発信だけではなく、社員にもスポットライトが当たるんですね。この取り組みが生まれた背景には何があったのでしょうか。

 

江川さん(ユナイテッド):

弊社では6月から在宅勤務を基本とした「新しい働き方」をスタートしました。在宅勤務では効率よく業務ができたり、通勤による負担が軽減されたりする一方、やはり社員の雑談や交流の場が減ってしまいます。そのことで、会社への関心が低下したり、業務上のコミュニケーションに弊害が出たりする恐れがあると考えたんです。そこで、在宅勤務中でも気軽に社内交流ができるよう、ライブ配信という社内施策を導入しました。

 

——在宅勤務になると、「交流するぞ!」と意気込んでオンラインなどでミーティングを設定したりしないと、同僚との何気ない雑談はできなくなりますよね。取り組みを始めてはどのような効果が出ていますか。

 

江川さん(ユナイテッド):

社長・役員によるライブ配信「マンデー放談」では、普段なかなか話す機会のない社長や役員に直接仕事の相談をすることができ、社員が抱えている悩みや疑問を参加者同士で共有することができています。また、役員がどのようなことを考えながら経営を行っているのかをランチタイムに知ることができます。

 

 

在宅勤務中も気軽に交流できる、ライブ配信でのチャットコメント

——役員と仕事の相談など交流できるのはありがたいですね。この気軽さがポイントなんですね。

 

江川さん(ユナイテッド):

そうなんです。広報によるライブ配信「みどりの部屋」では、参加者はチャットでコメントを送ることができ、気軽に交流できます。在宅勤務中は直接コミュニケーションする機会が減っているので、こういったカジュアルな交流の場があることは非常に大事です。普段業務では関わらない社員の人となりや意外な一面を知ることができ、そこからスムーズな仕事上のコミュニケーションや直接の交流に繋がっています。

 

——社内ライブ配信に参加している社員の感触はいかがでしょうか。

 

江川さん(ユナイテッド):

社長・役員によるライブ配信「マンデー放談」に関しては、やはり「日頃考えていることが見えづらい経営陣を、“気軽に身近に”感じられる」という声が大きいです。「ライブ配信なので、その場でコメントできるのがいい」「全社集会のような一方的な発信ではなく、ハードルが高くなる経営陣と個別面談でもない。ライブ配信はコミュニケーションもしやすく、最適な施策だと感じている」などの声も出ています。

 

——広報によるライブ配信「みどりの部屋」では、経営陣以外の社員がゲストなんですよね。そちらの感想はいかがですか。

 

江川さん(ユナイテッド):

「在宅勤務になり、社員同士のコミュニケーションが取りにくいなか、『みどりの部屋』のおかげでゲストの新たな一面を見ることができる」という声が寄せられています。ライブ配信での話が出社した時の話のきっかけになって、会話が弾むこともあるんですよ。

 

ゲスト出演してくれた社員からは、「緊張したけどとても楽しかった」という感想をもらっています。私はゲスト対談用にあらかじめ質問を用意しているのですが、相手によって質問も変えています。嬉しいことに「おかげでパパッと答えやすかったし、話しやすかった」と言ってもらえています。

 

——とてもユニークで最先端な社内コミュニケーションを実践されていますが、今後、社内のライブ配信において何か課題だと考えていることはありますか?

 

江川さん(ユナイテッド):

参加社員がどうしても固定になりがちなので、テーマやゲストを毎回変えることで、多くの社員に参加してもらえるよう工夫しています。また、実際の社員の反応は配信中のコメントでしかわからないので、定期的にアンケートをとり、社員に参加したいと思ってもらえる配信を目指しています。

 

 

メールや紙面ではなく、ライブ配信でコミュニケーションを活性化させる。コメントを通じて社員と経営陣が気軽に交流できる。企業のデジタル化をサポートするユナイテッドは、自社の社内交流もデジタル化に次々と挑戦しているのだと感じました。今後も新しい施策に取り組みながら、事業もより柔軟な姿勢で多角的に展開していくに違いありません。



【会社概要】

社名:ユナイテッド株式会社

従業員数:連結389名/単体191名 (2020年3月末時点)※臨時従業員を含む

設立年月日:1998年2月

業種:インターネット企業

事業内容:DXプラットフォーム事業・インベストメント事業・アドテクノロジー事業・コンテンツ事業

 

取材・文/川口香織(mugichocolate株式会社)