「顔写真の廃止」はあくまでもきっかけに過ぎない
──社内で新しいことを始めようと思っても、世代間のジェネレーションギャップなどで上手くいかないケースもあります。「LUX Social Damage Care Project」のように、実現に結び付けるためにはどんな工夫が必要なのでしょうか?
バスマジェさん:
いかに経営層を巻き込んでいけるかだと思います。経営層からも納得感を得られないと、変革が難しい案件は多々あります。そのためには、担当者のエネルギーも大事です。「断られても実現させたい!!」といった姿勢や、自分自身が案件に対して情熱を持っているかは重要です。
ダイバーシティを推進しようとする企業も多いですが、多様性自体はどの企業にもあるので、それを認める「インクルージョン」がないと進んでいきません。やはり「心からやりたい」と思う人がやらないと、熱を帯びることは難しいのではないかと思います。
高野さん:
私たちとしても、性別を見えなくする現在の採用活動が必ずしもベストとは考えていません。理想を言えば、そういった配慮がなくても本人の能力だけで判断されるべきです。ただ現状では、性差による不平等さやチャンスの少なさといった問題は依然としてあります。このアクションが、社会を広く変革するきっかけになれば良いと願っています。
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何度も意図を説明して本社の不安を取り除くことで、実現まで結び付けた「LUX Social Damage Care Project」。必ずしもベストな選択ではないけれど、現状を見据えた具体的なアクションを起こしたという発言が心に響きました。社内で意見がすれ違っている企業には、感じることがたくさんあるのではないでしょうか。
取材・文/秋元沙織