共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

 

働きたいのに保育園が見つからない、そしていざ保育園が見つかると子供と離れるのが寂しく、まだ小さい子供を預けて働くことにも気が引けてしまう…働くママなら誰でも通る道ですよね。

 

今回はそんなママのキャリアと子育てに寄り添うGMOインターネットグループの「キッズルーム GMO Bears」について、GMOインターネット株式会社グループコミュニケーション部グループファシリティチーム アシスタントマネージャー新里篤子さんにお話を伺いました。

GMOインターネットグループの「キッズルーム GMO Bears」

制度名称:キッズルーム GMO Bears 導入開始日::2011年8月22日 対象者:GMOインターネットグループで働くパートナー(従業員) 今までに利用した人数:約1,000人(一時保育利用者数)

 

GMOインターネット株式会社
グループコミュニケーション部
グループファシリティチーム アシスタントマネージャー
新里 篤子(シンザトアツコ)さん

 

働くママやパパの負担を最小限にしてくれる社内託児所

──2011年8月に社員のお子さんを対象にした社内託児所「キッズルーム GMO Bears」を作られたそうですね。これはなぜでしょうか?

 

新里さん:

「キッズルーム GMO Bears(以下、GMO Bears)」は働くパパ・ママが安心して働ける環境を整えることを目的に、生後57日以降の0才から3才未満(4月時点)のお子さんをお預かりする社内託児所です。

 

月極保育のほか、急な仕事で子どもを預けたいという希望にできる限り応えられるよう、一時保育にも対応し柔軟な受け入れ体制をとっています。


──社内託児所ということで、何か工夫されていることはありますか?


新里さん:

たとえば通勤時の負担を減らせるように、タオル・おむつなどは託児所内に完備しているため、ママが持参する物は1日分の着替えのみでいいんです。お昼ご飯はお子さんの月齢に合わせた食事を用意しており、同じく社内にある「コミュニケーションスペース GMO Yours」でお子さんと一緒にランチタイムを過ごすことも可能です*。

 

他にもハロウィンやクリスマス、バレンタインデーなどの季節のイベント時には、親御さんであるパートナーも一緒に参加できます。子どもたちがオフィスフロアをめぐり、働いているパートナーとのコミュニケーションも行なっていますよ*。

 

*現在は新型コロナウイルスの感染防止のため、イベントなどは中止しています。(2020年10月23日時点)

新型コロナウイルスを機に社内託児所からベビーシッターサービスへ

──ただお子さんを預かるだけでなく、親子のコミュニケーションもケアされているのですね。


新里さん:

そうですね。GMOインターネットは「GMO Bears」の運営をはじめ、パートナーの仕事と育児の両立を支援する様々な施策に取り組んでいます。その結果2013年に厚生労働省より次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」に認定され、「次世代認定マーク(愛称:くるみん)」を取得しました。現在だと、新型コロナウイルスにも柔軟に対応していますよ。



──具体的にどのような対応をされているのですか?


新里さん:

GMOインターネットグループは、新型コロナウイルスの感染拡大に備え2020年1月27日から恒常的な在宅勤務体制に移行しています。在宅勤務における業務と子育ての両立をサポートするため、10月からベビーシッターサービスを開始しています。

 

在宅勤務により「GMO Bears」でお預かりするお子さんが減少し、それに伴い削減された施設運営の固定費をベビーシッターサービスの運営に充てているというわけです。内閣府の助成事業である「ベビーシッター派遣事業」と合わせ、1回(3時間)あたり3,000円というリーズナブルな価格でご利用いただけます*。

*3,000円で利用できるのは月3回まで。4回目以降の利用は「ベビーシッター派遣事業」による割引のみ適用される。

全社員の前で託児所を作ると公約

──なぜこのようなサービスを導入したのでしょうか?

 

新里さん:

2010年10月、四半期に1度実施しているGMOインターネットグループの全パートナーが集まる「グループ全体ミーティング」で、代表の熊谷が福利厚生の希望を聞くアンケート(対象:当日の出席者約1,300名)を実施しました。

 

そこで要望の多かった食堂と託児所を作ることをその場で公約したんです。その後、グループ公募制度により集まった8名のプロジェクトメンバーが中心となり「世界一の託児所」を実現するためのプロジェクトが発足しました。




──その場で公約とは、すごいですね…。

 

新里さん:

出産後に待機児童となってしまいお子さんを地元の保育園に預けることができず、職場復帰のチャンスを失ってしまった社員もいました。GMOインターネットグループとして女性の職場復帰を全面的にサポートすることを目的にこのプロジェクトを推進したんです。


──公約からどのくらいで託児所は開所したのですか?

 

新里さん:

約10ヶ月後ですね。福利厚生大幅拡充プロジェクトの一環として、GMOインターネットグループで働くパパ・ママが安心して生き生きと働くための社内託児所「GMO Bears」が2011年8月22日に開所しました。

子育て中の社員でアイデアを出し合い、質の高い保育を実現

──たった10ヶ月で託児所を開所までこぎつけるのは、ご苦労もあったのではないでしょうか?


新里さん:

現役の子育て中のパートナーを中心としたプロジェクトメンバーが、自分たちの経験やグループ内でのアンケートをもとに300以上にも及ぶアイデアを出し合い、何度も協議を行いました。 その中で数々の障害がありましたね…。たとえばビル内でガスを使えないため調理はできませんが、子どもたちが口にするものにはこだわりたい。その結果、栄養バランスが優れた昼食を配送する「モバイル給食(R)」を月齢に合わせて提供しています。お米は園内で炊いていますが、お水は25年もの年月をかけて濾過された純度の高い“ハワイウォーター“を採用するなどこだわっています。



他にも「GMO Bears」は渋谷という街中かつビルの7階に位置するため、園庭を設けることができないんです。子どもたちを外で自由に遊ばせてあげることはなかなかできません。そのためソフトブロックを用いてできる限り屋外に近い空間を作ったり、近所の公園へお散歩に出かけたりするなど、様々な工夫をしています。


──実際に子育てをしている方の声で、質の高い保育が実現しているのですね。


ママもパパもメリットが盛りだくさんの制度

──制度を導入後、利用された社員の方からはどのような声があがりましたか?

新里さん:

たくさんのポジティブな声が届いています。今日はその中からいくつかご紹介しますね。

「GMO Bears」では、おむつや着替えなど本来こちらで用意しなければならないものを用意してくれているので、荷物が少なくて助かります。子供と一緒の通勤は多少大変ですが、それ以上のメリットがあると思います。
「GMO Bears」は職場内にあるので母乳をあげているママでも、1日数回授乳に行くことができ、またそのタイミングで子どもの様子を確認できることが1番のメリットだと思います。
近所の保育所に空きが出るまでの間だけでも預かってくれるので、とても助かります。一時保育などでまた利用させてもらえたらと思っています。
私の仕事(デザイナー)はいわゆる定時がなく、繁忙期にも波があるので「今、預けたい!」という時に気軽に、しかも安心して預けられるのが本当にありがたいです。

またパパ社員からこんな声も。

保育園の送り迎えの負担を男性が受け持ちやすくなるため、積極的に利用したいと思っています

──子どもを持つ方が抱える悩みや、職種特有の働き方にもサポートされているんですね。


新里さん:

弊社では早期の職場復帰を果たしたパートナーも多くいます。インターネット業界という変化の早い業界で、自身のキャリアを考えたときに早期復帰したいと思うものの、ママはお子さんのことが心配だったり成長を見たいと思ったり、そばにいてあげたいんだと思います。「GMO Bears」はそんな仕事と子育ての狭間で悩むパートナーをサポートできる制度ですね。

 

 

いつでも社員の声に耳を傾け、即行動するGMOインターネットグループ。現在は「リモートワーク活用企業No.1」プロジェクトを立ち上げ、新たな働き方改革を進めているといいます。今後の働き方改革にも注目したいですね。

 

 

【会社概要】
社名:GMOインターネットグループ
従業員数:約6,048名(※2020年9月末時点)
設立年月日:1991年5月24日
業種:情報・通信業
事業内容:インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、暗号資産事業

 

取材・文/ひなたきこ