信じあう親子関係がモチベーションに
──最初の模試で合格率0%だったとき、あまり落ち込んでいる様子もなく「全然諦めてないから」と発言した息子さん。もともとポジティブな性格ですか?
細川さん:
いえいえ、ネガティブなほうです。友人たちは小4くらいから塾に通い出し、夜遅くまで勉強する日々。あの子たちは頭がいいからやってるんだ、自分にはできない、その能力がない、と言ってましたから。なので、その強気な言葉にはとてもびっくりしました。
──何がそうさせたんでしょうか?
細川さん:
同じ模試を受けた幼馴染に「あんなの慣れだから。最初はできなくて当たり前。何回も受ければできるようになるんだ」って言われたことは支えになったのかも。
ほかの友達から、「いまから始めても無理だ」とか、「お前の受けるところは俺の滑り止めだ」なんて言われたりしても、息子は「自分はスタートが遅いんだからしょうがない」と言って、うじうじもしていなかったです。
──芯が強いんですね。
細川さん:
意外と、こうと決めたらやり通す子なんだなと知りました。受験すると言い出した当初、実は話半分で聞いていた部分もあって。本当にできるのか、と。でも、それまで机に全然向かわなかった子が、まずは向かうようになった、この一歩は大きかったんです。なので、私たちも「この子を信用しよう」「信じていれば大丈夫」と思うようになりました。
──息子さん自身も、信じてもらえていることが伝わったから、頑張れたのでしょうね。
細川さん:
あとは、「受験が終わったら好きなだけ漫画もゲームもしていい」というご褒美が待っていたからかも(笑)。