コミュニケーションの取り方から、異文化を「当たり前」に
──楽天のように色々な人が働いている環境では、性別や属性、国籍といった要素が気にならなくなるかと思います。とは言え多様性がある中で、時にはそれだけ多くの考えをまとめることも必要になってきます。関係性をうまく築くためには何が必要なのでしょうか?
李さん:
個人的な意見ですが、コミュニケーションの仕方は工夫しています。例えば私は、様々な文化背景をもつ従業員が多いので、なるべく丁寧に説明することを心掛けています。「行間から察してほしい」というような曖昧な説明は、日本人が思っているよりもわかりにくいものです。ですから、相手の気持ちを理解しつつ客観的に考えたうえでコミュニケーションをとり、「なぜそうしてほしいのか」と背景まで触れた説明をする方が納得してもらえるケースが多いように感じます。
また、相手から問い合わせがあった際も、回答する前に「この人は、なぜこう言っているんだろう?」と一呼吸置いて考えてから対応するようにしています。
国本さん:
私も、問い合わせ対応は李さんと同じように相手の立場を考えることを心掛けています。国籍や障がい、ライフステージなどによる「働きにくさ」に対しては会社が環境面でバックアップしてくれているので、私も個人として先入観に捉われずにコミュニケーションをとるように意識しています。
玉置さん:
働くうえで「〇〇だから」といった区別をされるのではなく、各々が尊重されていると感じますね。ママ社員としての立場を尊重してもらいつつ、仕事はきちんと任せてもらえる環境なので働きやすいです。
李さん:
「仕事は仕事、プライベートを持ち込むな」みたいな雰囲気がないのは当社の特徴かもしれませんね。今年はコロナ禍の影響で開催されませんが「二子玉川HALLOWEEN PARTY」はいい例かもしれません。
二子玉川 HALLOWEEN PARTYの開催時には、仕事の合間に親子での記念撮影も可能となっている(写真はそれぞれ玉置さんとお子さまとで撮影)
玉置さん:
たしかに!「二子玉川 HALLOWEEN PARTY」は毎年地域の企業と合同で開催するイベントなんですが、決められた時間に指定された場所に行くと親子で記念写真を撮れるんですよ。一般的にはこうしたイベントは日中の保育時間内で行われるので、親が参加できないことも多いです。でも、私の場合は仕事の合間に少しだけ抜け出して参加できるんですよ。「働く私」も「子育てする私」も諦めなくていいって、なかなかないですよね。
国本さん:
どんな「私」でも私らしく働けるというのが、本当の意味での働きやすさになっているような気がしますね。
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グローバルな社内文化が、オフィス設備や社内託児所など制度・設備面でもさらに推進されている楽天。その背景には、楽天の従業員一人一人が「多様性のある社会は当然」と受け止めて働いていることがあります。子どもたちの未来を考えるならば、まずは大人である私たちから考え方を変えていく必要があると言えそうです。
取材・文/秋元沙織 ※写真は全てコロナ禍以前に撮影したものです。