女性管理職3割を実現するのは、オーダーメイドの雇用制度 

 

男性も女性も、ライフスタイルに合わせて働ける柔軟な雇用形態

 

——産後離職率ゼロだけでなく、女性管理職も社員の3割ととても高い水準ですね

 

近藤会長:

社員49名中、男性の管理職は15名、女性は7名ですから、3割ということになりますね。先ほどお話ししたように女性が離職しない結果ともいえますが、柔軟な雇用形態にも要因があると思います。

 

実は、女性管理職7名の中には、当社規定で正社員でない者もいるんです。なぜなら「正社員はTOEIC500点以上」という規定があり、500点取れない人は「嘱託雇用社員」になるからです。

 

今総務課長と私の秘書をしている女性は、TOEICを受けないので、弊社の規定では正社員ではありません。だけど社内では課長つまり、嘱託雇用契約の課長。けれど無期限契約で、役職にもつくし、ボーナスも退職金も出ます。

 

——TOEICの点数による手当のほかにも、IT手当など複数の手当がありますね。

 

近藤会長:

能力を報酬という形できちんと評価しようとしたら、手当が増えたという感じです。個人の事情と能力に配慮していったら、結果的に雇用形態や給与管理が複雑になりました。

 

弊社は「雇用の打ち切りはしない」が信条です。だからライフスタイルの変化で一時仕事がペースダウンし給与が下がっても、働けるときに頑張れば挽回が可能。そういう安心感も働きやすさとモチベーションの維持につながっていると思います。

 

——TOEICの点数により雇用形態が変わり、役職も手当ても人それぞれだと、管理がかなり大変そうです

 

近藤会長:

大変ですよ。だって、社員49人なのに雇用契約は3040本もあるんですから(笑)。でも大変だからってやめたらいけない。一人一人に向き合うからこそ、多様化に対応した雇用ができているんです。