ワーママの出発点は「決めつけない」「抱え込まない」

——キャリアを不利にしないために、個人の立場からできることはありますか。

 

朝生さん:

悩みを一人で抱え込まない。情報を自分から取りに行く。これらを意識して心がけるだけでも違ってきます。

 

「どうせ夫は働き方を変えてくれないから」と決めつけて、仕事と育児の両立の困難さを一人で抱え込んでいる女性は少なくありません。思い込みで決めつけてしまわないで、夫や友人、職場の同僚など、まずは誰かに相談してみましょう。妻のキャリアは家族の問題でもありますから、夫婦でしっかりと話し合うことをおすすめします。

 

一方で、育児やキャリアの問題は、身近な人だからこそ本音が言いづらいというケースもありますよね。そういった場合は自治体で行っている無料のキャリア相談などを活用することをおすすめします。距離のある外部の人のほうが、客観的な視点から有用なアドバイスをくれることもありますから。

 

また、都道府県やハローワークでは、無料の職業訓練や資格講座などを実施しています。そういった情報を自分から集めに行って、使えそうな支援制度は積極的に使っていきましょう。

 

 

企業の風土や仕組みを変えるのはたやすくありませんが、個々人でもできることはあります。視野を狭めず、情報を集め、相談できる相手を増やしていく。まずはできるところから一歩ずつ進めていきましょう。

 

第4回は、これからの企業や社会のあるべき姿、女性管理職が増えることの利点について、引き続き朝生容子さんにお話を伺います。

 

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PROFILE 朝生容子さん

オフィス・キャリーノ代表、キャリアコンサルタント/1988年、慶応義塾大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。人材開発部門にて若手社員育成、女性活躍推進に従事。その他、マーケティング、経営企画等に従事。99年に社会人向け教育機関(株)グロービスに転職。2012年に独立。年間、200名以上のキャリア相談実績あり。「ダイバーシティ&インクルージョン研究会」発起人。

 

文/阿部 花恵 イラスト/えなみかなお

©CHANTO調べ 調査期間:2020年9月18日~2020年9月22日 調査対象:0~22歳の子どもがいるCHANTOモニター89人