他者中心の考えを持つ母親は子どもにすがってしまう
他者中心で生きている母親はいつも、“他人がどう思っているか”を行動の判断基準にしています。そのため、“自分はどうしたいか”という軸になるものがありません。自分の気持ちや欲求さえわかっていない状態です。
そのため、物理的にも精神的にも何かによりかかろうとして、子どもにすがってしまうのです。子どもは親に従うもの、と考える母親は当然のように子どもを支配しようとします。同時に、自分では何も決められないため、子どもに依存している状態だといえるでしょう。
母親の“自由に生きてほしい”という言葉の本当の意味は?
しかし、母親は自分と同じ苦労を娘にはさせたくないと考えています。だからこそ、“あなたには自由に生きてほしい”というのですが、ここには矛盾したメッセージがひそんでいます。
「母親は、娘には自分の好きに生きてほしいと望んでいます。けれど、他者中心の生き方をしている母親は、“自由”な生き方がどんなものなのか知りません。そのため、娘が自分の知らないところに行ってしまうのを恐れて“母親の示した選択肢のなかから生き方を自由に選んでほしい”というメッセージを伝えてしまいます」
そうすると、“自由に生きてほしい”というメッセージは、言葉どおりではなく“母親が理解でき、安心できる生き方をしてほしい”という意味が込められることに。その結果、娘はどうしたらいいのかわからず、母親の顔色をうかがうことになるのです。