『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』(荒井ママレ著 医療原案・富野浩充/コアミックス)
石原さとみさん主演で今夏にドラマ化された作品です。処方箋を決める医師ほど病院内では重視されず、患者には薬の受付係のように思われがちな薬剤師が主人公。「患者の日常」を守るために、見えないところで奮闘する毎日が描かれています。
「薬剤師の女性が、『院内において、自分たち薬剤師がいる意味はないのでは?』と悩みながらも、周囲を巻き込み、患者さんの健康を守っていく話です。医療現場の大変さや、たとえ表立って仕事が評価される仕事でなくても、世の中を動かす大切なことなんだと実感できます。仕事で行き詰まったときに読んでみるのもいいかもしれません」
『七つ屋志のぶの宝石匣』(二ノ宮知子著/講談社)
最後に紹介するのは、名作『のだめカンタービレ』作者の最新作。東京下町の老舗・質屋を舞台に、「宝石×質屋」というテーマで、宝石のオーラが見える質屋の娘・志のぶとイケメン宝石商・顕の織りなす人間ドラマが魅力的な作品です。
「主に宝石の鑑定がメインになっているマンガです。宝石の価値は、金額的価値に加えて、そこに詰まった思い出や、継ぐ者だからこそ感じ取れる価値が加わる話は興味深く読めます。また、宝石についても豆知識はもちろん、質屋の仕組みやジュエリー店の仕組みがわかる点も勉強になりますよ。日常に疲れたとき、キラキラした宝石の世界を覗いてみるのも楽しそうですね」
山内さんの話を聞いていると、普段何気なく読んでいるマンガにも様々な「学び」があることに気づかされます。ゲームやスマホばかりでなく、たまには親子で漫画を読んでみるのもいいかもしれません。
PROFILE 山内康裕
文/立岡美佐子