会社員をしながら都心部(神奈川県川崎市)と山梨の二拠点を行き来して暮らす、坂下真希子さん。平日は都心部で共働きをしながら生活し、週末は一家で田舎暮らしを楽しんでいます。
4年前に新しく手に入れた「山の家」についてお話を伺った第1回、第2回に続き、第3回では坂下さんの二拠点での暮らしに欠かせない食べ物について紹介します。パン好きと料理上手が高じて、サラダのレシピ本まで手掛けたという坂下さん。最近ハマっているサラダレシピも教えていただきました。
Profile 坂下真希子さん
アフタヌーンティー・ティールームに勤務し、焼菓子などの商品開発を担当。フリーランスで働く夫と12歳の長男、6歳の長女の4人家族。ウェブサイト「外の音、内の香」では「〈毎日パンとサラダ弁当〉ときどき〈山生活日記〉」を連載。著書に『パンによく合う かんたんサラダ弁当』 (立東舎) がある。インスタグラム(@donuts1010)も更新中。
パンを通して、食を見つめ直す
——産後からパンにハマり、それがきっかけで著書まで出されたとのこと。「食を見つめ直す原点にもなった」というパンの魅力を教えてください。
坂下さん:
こんなにパン好きになったのは、長男を助産院で出産したことがきっかけでした。その助産院が玄米菜食をベースにした食箋指導(食事療法)を行っていたの
探していくうちに、自分で焼いてみたくなり、酵母を起こして自分で自家製酵母パンを焼いていた時期もありましたが、出産後はなかなかパンづくりは難しくなって。もっぱら気になるパン屋を調べては巡る日々です。
とはいえ、働きながら子育てをしていると、思うようにあちこちパン屋さんには足を運べません。行ったときはここぞとばかりにパンをたくさん買い込み、冷凍ストックパンを切らさないようにしています。
買うパンは、冷凍向きのシンプルなものを選びます。買ったその日のうちに、一食ずつ小分けにカットし、冷凍保存。これが私のお宝パンストックで、一日の元気の源。これにサラダを加えて、毎日会社にお弁当として持って行っています。
——インスタグラムを拝見すると、「山の家」でもパンがよく登場していますね。
坂下さん:
そうですね(笑)。パンは私の楽しみの一つでもあり、家族も共有できるものなので。そもそも「山の家」には圧力鍋や炊飯器がないので、パンがあるととても便利なんです。
山の家での食事用のパンは、夫や子どもたちも楽しめるように、
ちなみに、お弁当用のパンはあくまで私が楽しむパンなので、ハード系のパンやベーグルなど、家族があまり好まないけれど私が好
パンに合う、おすすめサラダレシピ
——パンとサラダを毎日会社にお弁当として持参されているとか。どんなものを作りますか?
坂下さん:
私が会社に毎日持っていくサラダ弁当は、とにかく簡単。朝、作り置きの総菜をサラダの上にのせるだけです。前の晩に野菜をカットして保存容器に詰めておけば、ものの5分でできちゃうんですよ。
ベースになるカット野菜はなんでもいいのですが、水菜、大根、かいわれ、紫キャベツ、ルッコラなど。上にのせる総菜はポテトサラダやツナひじき、鶏肉のマリネやショートパスタなど。それに塩と、ビネガーやオリーブオイルを回しかければ完成です。
火を使うこともなければ、会社で温めなおす必要もなく、あらかじめビネガーやオイルをかけていくのでドレッシングも必要なし。混ぜながら食べるので、総菜やベースのサラダを変えたり、ハーブやオイルを加えたりするだけで、全然違う味になり、毎日飽きずに食べられる点もおすすめです。
——本当においしそう!しかも簡単なので、すぐにマネできそうです。坂下さんが最近気に入っている、総菜サラダのレシピをぜひ知りたいです。
坂下さん:
最近よくリピートしているのはこの3つです。かぼちゃとさつまいものサラダは子どもたちにも人気のメニュー。切り干し大根を使ったサラダは食感が楽しくて、頻繁に作っています。お弁当だけでなく、食事にもおすすめです!
1:にんじんとツナのマスタードサラダ
【材料と作り方(作りやすい分量)】
①にんじん2本はせん切りにする。玉ねぎ1/4個はみじん切りにし、水にさらしておく。にんにく1/2かけはみじん切りにする。 ②耐熱ボウルににんじんを入れ、ラップをして電子レンジ(600W)で1分〜1分30秒ほど加熱する。 ③❷のボウルに玉ねぎ、にんにくを加えて混ぜ合わせる。 ④ツナ缶(オイルごと)1缶、粒マスタード・塩・酢各適量を加えて混ぜる。お好みでオリーブオイル適量を加えて混ぜる。
2:かぼちゃとさつまいも、ナッツのローストサラダ
【材料と作り方(作りやすい分量)】
①かぼちゃ1/4個、さつまいも1本はそれぞれひと口大に切る。 ②フライパンにココナッツオイル大さじ1と1/2、❶、好みのナッツ90g(今回はカシューナッツ)を入れ、軽く焼き色がつくまで炒める。 ③クッキングシートを敷いた天板に❷をのせ、塩・メープルシロップ各適量をまわしかけ、200℃に温めておいたオーブンで約20分焼く。
3:切り干し大根のツナたまごサラダ
【材料と作り方(作りやすい分量)】
①切り干し大根40gは水で戻し、水けをよく搾って食べやすい長さに切る。きゅうり1本、にんじん1/2本はせん切りにし、軽く塩もみする。 ②ボウルにマヨネーズ大さじ3~4、酢・オリーブオイル各大さじ1を入れて混ぜ合わせる。 ③❷のボウルに❶、粗みじん切りにしたゆで卵3個分、汁けをきったツナ缶1缶を加え、全体的に混ぜ合わせる。塩で味をととのえる。
忙しくてもパパッと作れる簡単サラダは、日ごろの野菜不足の解消にもひと役買ってくれそうです。普段のご飯にお弁当に、ぜひ活用してみてくださいね。
取材・文/大野麻里 撮影/坂下真希子