「間違いでもいい」ことに気づいた大学時代
では、間違いをおもしろがるためにはどうすればよいのでしょう。高橋さんはまず「間違ってもいい」と気づいて、受け入れること。そして、次にその間違いを笑いに変える訓練をすることだといいます。
高橋さんが「間違ってもいい」ことに気づいたのは学生時代。高橋さんは大学に入学し、話がうまくなってモテたい!と思い落語研究会に入りました。
落語を続けて2年半、まったくウケず!
当初、大喜利などで落語の王道のような切り替えしをして、喝采を受ける仲間がいる一方、高橋さんは彼らと同じことをしてもまったくウケなかったそうです。様子が変わってきたのは、3年生になってからでした。
「ムリして元気よくしゃべったりウケを狙わず、それまで20年間生きてきて、普段ずっとそうしてきたように、暗くボソボソと、自分の身に起きた不運な話や、虚弱体質な話をしたところ、クスクスと笑いが起きるようになったんです」
間違っていても、むしろそのほうがおもしろい
そのとき、高橋さんが感じたのが、「頑張って王道の笑い(いわゆる正解)をしなくてもいいんだ」ということでした。トンチの効いた切り替えしが落語の「正解」だとしたら、高橋さんの笑いは正解とは異なる「間違い」ともいえます。
ところがそれがウケたのです。「間違っていてもおもしろい、むしろそのほうが笑いになることだってあるんだ!」という自信を、高橋さんが得た経験でした。