ボケツッコミじゃんけんをしている

今、子どもたちに必要なのは、コミュニケーション力?英語力?もちろんこれらも大事ですが、それよりも前に学んでほしい重要な力があると、おもちゃクリエイターのパパ・高橋晋平さんは主張します。それは一体どんなことでしょうか?

「できない」と言って悲しむ娘に知ってほしいこと

「娘には間違いをおもしろがれる子になってほしいんです」。そう話すのは、玩具メーカー・バンダイでの商品開発を経て、おもちゃクリエイターとして活躍する高橋晋平さん。プライベートでは7歳と3歳の姉妹のパパです。

 

高橋さんは長年仕事を通じて、人をおもしろがらせるにはどうしたらいいか、人が何かをおもしろがる仕組みとは何なのかなど、「おもしろがる」ことについて考察してきました。そんな高橋さんのいう「間違いをおもしろがれる子」とは、一体どういうことなのでしょうか?

計算問題を1つ間違えただけで泣き出す娘に…

「僕がこう考えるにようになったのは、娘の『間違いに対する拒絶感』を見てからです」と高橋さん。小学1年生の娘さんは、たった1問計算を間違えたり、少し絵をうまく描けなかっただけで大変なショックを受け、泣いてしまうのだそう。

 

「たとえば娘はダンスを習っていますが、検索すれば同じ年頃の子どもが上手に踊っている動画がすぐ見つかります。そして、自分がそこまでできないことにショックを受けてしまうんです。ネットによって手軽な正解がすぐに手に入るために、間違いを許容しにくくなっている。そのままでは、この先、この子は辛いなぁと思ったんです」

 

「間違いをおもしろがれる子」になってほしい

では泣いている娘さんが、どうしたらこんなに泣かずに、楽しく毎日を過ごしていけるのか?それを考えて思い至ったのが「間違いをおもしろがれる子」だったといいます。

 

生きていく上で人は失敗や間違いを避けられません。特に高度で複雑に情報化された現代では、手軽に正解を見つけられる一方で、イレギュラーだったり前例のないケースで、答えを見つけ出すのは容易ではありません。

 

不安や失敗にめげなければ、トライを繰り返せる

「そんななかで強いのは、どんなことが起きても、めげずに笑いながらやっていける人です。エラー=間違いをおもしろがることで、不安や恐れなどのネガティブな気持ちを引きずらず、常にトライを繰り返して楽しい気持ちで次に向かえます。エラーをおもしろがれなかったら、ただ辛いだけですからね。娘にはそんな人になってほしいんです」